Last-modified: 2023-02-22 (水) 21:54:52 (96d)
【LANTIRN】 †
Low Altitude Navigation and Targeting InfraRed for Night(夜間用低高度航法・赤外線目標指示).
マーチン・マリエッタ社(現:ロッキード・マーチン)が開発した軍用機用アビオニクス。
FLIR・地形追随レーダー・レーザー目標指示器を統合してひとつのポッドに納めたもの。
航法用のAN/AAQ-13と目標指示用のAN/AAQ-14の二種類があり、当初F-15Eのみが装備したが、現在では多くの機種が装備する。
後継として、イスラエルでAN/AAQ-28「LITENING」が開発され、多くの国で採用されている。
ロッキード・マーチン自身の後継機種としてAN/AAQ-33「スナイパーXR」が開発され、こちらもアメリカ空軍等に採用されつつある。
関連:Nighthawk? ATFLIR?(F/A-18用の類似ポッド)
仕様 †
全長 | 1.99m(AN/AAQ-13) 2.51m(AN/AAQ-14) |
直径 | 305mm(AN/AAQ-13) 380mm(AN/AAQ-14) |
重量 | 204.6kg(AN/AAQ-13) 240.7kg(AN/AAQ-14) |
構成 †
- AN/AAQ-13:
LANTIRNシステムの航法ポッド。
Kuバンドの地形追従レーダーと前方監視用の赤外線センサーを内蔵している。
地形追従レーダーを搭載する機体の自動操縦システムと連動させることにより、地表もしくは建造物などの障害物から約30m以上の高度で事前に設定したコースに沿って飛行することが可能である。
- AN/AAQ-20「パスファインダー」:
低空飛行で地上障害物を避けるための地形追従レーダーが削除された輸出用ダウングレード型。
なお、韓国、シンガポール空軍が装備するタイプはFLIRの解像度が強化されている。
- AN/AAQ-20「パスファインダー」:
- AN/AAQ-14:
LANTIRNシステムの照準ポッド。
前方監視用のFLIRとマーキング用のレーザー発信機で構成されている。
近年では搭載するFLIRが解像度不足であることなどから、アメリカ空軍ではAN/AAQ-33「 スナイパー」への換装が進められている。
- AN/AAQ-19「シャープシューター」:
AGM-65「マーベリック」の運用能力といくつかの空対空機能が削除された輸出用ダウングレード型。
- AN/AAQ-19「シャープシューター」:
- AN/AAQ-25「LANTIRN 40K」:
AN/AAQ-14にGPSとの連動能力を与え、運用制限高度の引き上げが行われた改良型。
F-14「ボムキャット」に搭載されていた。
なお、RIO席コンソールの右下に装備されていた戦術航空偵察ポッドシステム(TARPS)用のモニターと差し替える形でこの機材のコントロールパネルを取り付けたため、TARPSとAN/AAQ-25の同時運用は不可能と言われている。
すでに退役。
- AN/AAS-43「タイガー・アイ」:
発展型。韓国空軍のF-15Kやシンガポール空軍のF-15SGで運用されている。
搭載FLIRを第3世代に換装して解像度が向上している他、AN/AAQ-19またはAN/AAQ-33のパイロン部にAN/AAS-42 IRSTが追加装備されている。