Last-modified: 2021-08-19 (木) 19:12:39 (773d)
【AGM-45】 †
AGM-45
アメリカ初の対レーダーミサイルとして開発された空対地ミサイル。
AIM-7をベースに、テキサス・インスツルメンツ社が開発した。
アメリカではA-4やF-105F/G、F-4G、A-6、A-7、イギリスではフォークランド紛争時に一時的に供給され、対レーダーミサイル搭載用に改修されたアブロ・バルカンによって運用された。
従来のSEAD戦術である「アイアンハンド」を一変させた革新的兵器であったが、
- 「有効射程が短いうえミサイルの速度が遅く、SAMと同時に発射された場合には自機が撃墜される」
- 「途中で敵レーダーの電波発信が止まった際には目標をロストする」
- 「シーカーの視野が狭く許容誤差がなかった(±3度以内)」
- 「破壊力不足でレーダー運搬車両へ損害を与えることが難しかった」
などの欠点があり、後継であるAGM-88にその座を譲った。
関連:AGM-78
スペックデータ †
全長 | 3.05m |
直径 | 20.3cm |
翼幅 | 91cm |
発射重量 | 177kg |
射程 | 16km(AGM-45A) 40km(AGM-45B) |
推進方式 | 固体推進ロケットモーター |
エンジン | ロケットダインMk.39 Mod0 or エアロジェットMk.53 Mod1(AGM-45A) エアロジェットMk.78 Mod0(AGM-45B) |
弾頭 | HE 破片効果弾頭(66kg) WAU-8/B・Mk.5 Mod0・Mk.86Mod0(AGM-45A) WAU-9/B・Mk.5 Mod1・Mk.86 Mod1(AGM-45B) |
誘導方式 | パッシブレーダー誘導 |
各派生型と搭載シーカー | ||
形式 | シーカー | 対応帯域 |
AGM-45A-1 | Mk23 Mod0 | E/Fバンド |
AGM-45A-2 | Mk22 Mod0/1/2 | Gバンド |
AGM-45B-2 | ||
AGM-45A-3 | Mk24 Mod0/1/3/4 | 広帯域E/Fバンド |
AGM-45B-3 | ||
AGM-45A-3A | Mk24 Mod2/5 | 狭帯域E/Fバンド |
AGM-45B-3A | ||
AGM-45A-3B | Mk24 Mod3 | E/Fバンド |
AGM-45B-3B | ||
AGM-45A-4 | Mk25 Mod 0/1 | Gバンド |
AGM-45B-4 | ||
AGM-45A-6 | Mk36 Mod1 | Iバンド |
AGM-45B-6 | ||
AGM-45A-7 | Mk37 Mod0 | E/Fバンド |
AGM-45B-7 | ||
AGM-45A-9 | Mk49 Mod0 | Iバンド |
AGM-45B-9 | ||
AGM-45A-9A | Mk49 Mod1 | Iバンド Gバイアス |
AGM-45B-9B | ||
AGM-45A-10 | Mk50 Mod0 | Eバンド-Iバンド |
AGM-45B-10 |
派生型 †
- AGM-45A:
初期生産型。
- ATM-45A:
訓練用イナート弾型。
- ATM-45A:
- AGM-45B:
ロケットモーターや弾頭を改善した型。- ATM-45B:
訓練用イナート弾型。
- ATM-45B:
- キルション(Kilshon):
第四次中東戦争の戦訓に基づいてイスラエル空軍によって開発された地上発射型。
愛称はヘブライ語で三叉戟(Trident)の意味。
砲塔を取り外したM51「スーパーシャーマン」の車体にAGM-45の単装ランチャーを搭載している。
使用されるAGM-45は地上からの飛翔および射程延伸のために、ブースターの追加改修が施されている。