Last-modified: 2015-11-14 (土) 10:27:23 (530d)

【重力ターン】(じゅうりょくたーん)

宇宙船などが惑星の引力(重力)を利用して加速、方向転換する方法で、惑星の引力による物体の放物線運動を利用したものである。
その動きがスリングショット(石を縄に括り付け、ハンマー投げのように振り回して投石する武器)に似ているので、重力スリングとも呼ばれ、他にもスウィング・バイ、フライ・バイといった表現方法もある。

一般的には惑星の引力で宇宙船を加速させ、その後そのまま周回軌道に入り、目的の方向に行ける周回位置に到達したら進行方向へエンジンを点火、周回軌道を離脱させる方法である。
また地球の遥か彼方へと向かう惑星探査船は、限られた燃料しか持たせられないので惑星伝いにこれを行い、加速と方向転換を繰り返して燃料を節約させている。

日本の宇宙ロケットにおける使用例

日本初の人工衛星おおすみ」を打ち上げた「ラムダ」ロケットは、衛星の打ち上げと軌道投入にこの方法を利用していた。
ロケットは斜めになった発射台から地球の自転方向に打ち上げられ、ロケットが放物線の頂点に達し、地表に対して相対速度が0となって落下を開始する時、頭を下げ水平となった状態の時に水平方向にエンジンを点火し加速、これを繰り返すことで、周回軌道に衛星を乗せるという方法である。
驚くことに3段目までは無誘導で、4段目でもエンジン点火を地上から無線指令するだけで本体には全く誘導装置を持たず、「巨大なロケット花火」とも言えた。

これは当時、諸外国の宇宙ロケットのような誘導機能の実装が「ミサイルへの転用が可能となってしまう」として国会で野党の反対にあい、却下されたための代替策であったという。

なお、H型ロケットイプシロンロケットなど、JAXAが現在運用中の宇宙ロケットには、当然ながら誘導装置が載せられている。


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