Last-modified: 2018-11-17 (土) 05:36:37 (29d)

【九七式飛行艇】(きゅうななしきひこうてい)

川西 H6K.

1930年代、川西航空機が開発・生産した大型飛行艇
「九七(式)大艇」とも呼ばれ、純国産機としては最初の実用四発機でもあった。
連合国軍においては「Mavis(メイヴィス)」というコードネームで呼ばれた。

本機が開発された当時、世界はワシントンロンドンの軍縮条約によるネイバル・ホリデーのさなかにあり、日本海軍艦隊戦力の劣勢を航空兵力で補おうとしていた。
第一次世界大戦終結後に日本が統治を任された南洋諸島には軍事施設を置くことが禁じられていたが、日本海軍は飛行艇を活用することでアメリカ艦隊に対抗しようとしていた。
そこで、当時民間旅客機として活用されていたシコルスキーS-42飛行艇やアメリカ海軍コンソリデーテット?P2Y-1飛行艇を上回る性能を持つ飛行艇として開発されたのが本機である。

本機は改良を加えられながらも1942年までに179機が生産されたが、当初の目的であった雷撃爆撃では速力の低さもあって十分な成果を上げることができず、以後は航続距離の長さを活かした偵察や対潜哨戒に終始した。
だが、大戦中期以降は防弾装備の弱さから被害が続出し、前線任務を後継の二式飛行艇に譲って後方での連絡・輸送に従事した。

また、本機には武装を撤去した旅客機型「川西式四発飛行艇」もあり、大日本航空により横浜を拠点に定期航路が開設されていた。

スペックデータ

九七式飛行艇ニ三型(H6K5)
乗員9名
全長25.6m
全高6.27m
全幅40m
翼面積170
全備重量17.5t/23t(過荷重)
プロペラ定速3翅
発動機三菱 金星五三型空冷星形複列14気筒×4基(出力1,300hp)
最高速度385km/h
航続距離4,940km(正規)
6,771km(偵察過荷重)
上昇限度9,560m
固定武装20mm旋回銃×1基、7.7mm旋回機銃×4挺
爆装航空魚雷×2本または爆弾2t(60kg爆弾×12発または250kg爆弾×4発)


九七式輸送飛行艇一一型(H6K2-L)
乗員8名+16名
全長24.9m
全高6.27m
全幅40m
翼面積170
自重12,025kg
最大重量17,100kg
プロペラ定速3翅
発動機三菱 金星四三型空冷星形複列14気筒×4基(公称990hp)
最高速度333km/h(高度2,610m)
航続距離4,328km(過荷重状態)


バリエーション(カッコ内は生産・改修機数)

  • 一号(H6K1)(5機):
    中島「光」二型(公称700hp)発動機搭載の原型・増加試作機。

  • 二号一型/一一型(H6K2)(10機):
    三菱「金星」四三型(公称990hp)発動機搭載の量産型。

  • 二号一型改(H6K3)(2機):
    一一型を改修した旅客輸送機型原型。

  • 二号二型・三型/二二型(H6K4)(127機):
    一一型の射撃兵装や電気艤装を改良し、エンジンを「金星」四六型(公称1,070hp)に換装した型。

  • ニ三型(H6K5)(36機):
    「金星」五一型発動機に換装した最終量産型。

  • 九七式輸送飛行艇:
    量産型から銃座を除き、リクライニングシートや旅客窓、調理室を追加装備した輸送型。
    17名の旅客を空輸可能。

    • 一一型(H6K2-L)(16機):
      一一型をベースにした旅客輸送機型。

    • 二二型(H6K4-L)(20機):
      二二型をベースにした旅客輸送機型。


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