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【減音器 】 †
suppressor.
銃口からの音を抑えるための、太い筒状のアクセサリー。
全く無音無光になるわけではないが、重低音になるため射手の位置を特定されにくくなる。
副次的恩恵として、フルオート射撃の反動を抑えて散布界?を小さくまとめる効果もある。*1
ただし、発見される事が本当に致命的な状況ではそれほど役に立たない。
撃たれた犠牲者が転倒したり、大声で警告を発したり、激痛に泣き喚いたり、死体を残したりするのは防げないからだ。
絶対に見つかりたくないのなら、そもそも銃を撃つべきではない。*2
この特性のため、主に夜間の白兵戦や狙撃、CQBなどで運用される。
発射音やマズルフラッシュは射手の集中を乱すため、競技用としても一定の需要がある。
原理 †
銃声には複数の音源があるが、音量の大半を占めるのは、銃身の発射ガスと大気との圧力差による破裂音である。
減音器はこの時の発射ガスをいったん筒の中に溜め置き、圧力差を徐々に散らしていく事で破裂音を抑止する。
さらに効果を高めるため、内部に多数のヒダを設け、それらのヒダを通るたび徐々に圧力が下がるようにしたものが多い。
また副次的な効果として、銃口から見える発射炎(マズルフラッシュ)も、減炎器と同様の原理で発生しづらくする。*3
基本的に太く長いものほど減音効果が高い。
また、発射ガスの元となる装薬が少ないほど効果が高いため、専用の弱装弾?を用意する場合もある。
暗殺など極端に静粛性が重視される場合、機械音を立てないよう、半自動式拳銃をブローバックしないように改造したものを用いる例が多い。*4
時には一発使い捨ての特殊な銃がわざわざ用意される場合もある。
犯罪やテロへの悪用が懸念されるため、銃の所持が許可される場合でも減音器は規制される事が多い。
原理上、発射ガスの圧力を動力に使うブローバックが弱くなり、それを利用する銃では回転不良のリスクがある。
弱装弾?を用いる場合は、さらにその発生頻度が高まる。
またティルトバレルロッキングの場合は、銃身のバランスが変化する事でもジャムを起こしやすくなる。
回転式拳銃ではシリンダーと銃身の間から発射ガスが漏れるので、ナガン・リボルバーなどの例外を除き、効果そのものが期待できない。
以上のように、装着する場合は銃や弾薬との相性を考慮する必要がある。
*1 ただし、連射による過熱や劣化は減音器の寿命を急速に縮めてしまう。
*2 絶対に発見されてはならないが、敵を排除しなければ任務達成不可能、という状況もなくはない。
実際、一部の特殊部隊ではそのような状況に備え「音も立てず、声も出させずに敵を殺す方法」を教えている。
しかし実際には、そこまで過酷な状況に置かれた兵士が撤退・降伏以外の方法で生還できるとは考えにくい。
*3 このため引火が懸念される燃料や爆薬の近辺で、どうしても銃を使わなければいけない場合、減音器付きの銃が選択されることが多い。
*4 給弾は一発ごとの手動となる。