【X-2】(しんしん)

X-2
TRDI/三菱ATD-X*1.

日本の防衛省技術研究本部防衛装備庁三菱重工業が開発した先進技術実証機
正式名称は2016年1月に制定された型式の「X-2」であり、一部で用いられる「心神」は開発時の愛称のため、非公式のものとされる。

機体は軽量な複合材料で製作され、ステルス性、高運動性を備えた高運動飛行制御システムを取り入れる。
また、開発費を抑えるため、キャノピーT-4の物を流用するなどしている。

操縦系はフライバイワイヤーを使用するが、高運動性を実現する為、前縁フラップ駆動系統にはP-1哨戒機で採用されたフライ・バイ・ライト(FBL)を採用する。

電子機器類では高性能フェイズドアレイレーダーに電子妨害装置を組み込んだ多機能RFセンサ、機体に張り付ける薄いレーダー・スマートスキンセンサーが装備される。
エンジンはIHI製のXF5-1(A/B推力約5t)を2基搭載する。
また、新開発のパドル式推力偏向装置が装備され、急速な方向転換が可能であると推測される。

2016年4月22日に初飛行した本機は、2017年10月30日までに32回のフライトを行い、その後は公式に性能試験終了とされている。
得られたデータは将来的な国産ステルス戦闘機の開発のための下地として生かされる予定である。

なお、本機はあくまでも「技術開発とその実証試験」を目的とした実験機である為、武装を施して戦闘機として運用する事は考えられおらず、エンジンの推力や機体サイズなどを指して「実戦は不可能である」といった評価は前提からして明らかに無意味である。

スペックデータ

X-2
全長14.174m
全高4.514m
全幅9.099m
空虚重量約9.7t
エンジンIHI XF5-1ターボファン×2基(アフターバーナー推力:約5t)



*1 Advanced Technological Demonstrator-X:先進技術実証機の略。

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