【Ta 152】 †
Focke-Wulf Ta 152.
フォッケウルフ社が開発した戦闘機で、第二次世界大戦終盤のドイツ空軍で運用された。
「Ta」とは主任設計者であるクルト・タンクの名から。
Fw 190 D-9の発展型のため、機首形状は似通っているが、主なタイプのTa 152 Hは高高度での操縦性向上を目的に、翼幅を大きく拡大しており、またその他細部にも差異がある。
快調であれば高高度での性能は優れていたが、開発の遅れから生産数が少ない上、ほとんどの機体は不調だった。
スペックデータ（Ta 152 H-1） †
| 乗員 | 1名 |
| 全長 | 10.82m |
| 全高 | 3.36m |
| 翼幅 | 14.44m（低・中高度戦闘機型は11m） |
| 翼面積 | 23.5�� |
| 翼型 | root：NACA 23015.3 tip：NACA 23009 |
| 空虚重量 | 4,031kg |
| 総重量 | 4,727kg |
| 最大離陸重量 | 5,217kg |
| 燃料容量 | 992L（262 US gal） |
| 発動機 | ユンカース Jumo213E?またはJumo213E1液冷倒立V型12気筒×1基 |
| 出力 | 1,750PS（1,287kW）（離昇出力） 2,050PS（1,530kW）（離昇出力（MW-50出力増強装置使用時）） 1,260PS（940kW）（高度10,700m、GM-1出力増強装置使用時） |
| プロペラ | ユンカースVS-9 3枚翅定速プロペラ |
| 最高速度 | 580km/h（海面上、MW-50使用時） 759km/h（高度12,500m、GM-1使用時） |
| 航続距離 | 2,000km |
| 上昇限度 | 15,100m（GM-1使用時） |
| 上昇率 | 20m/s（最大離陸重量時） 25.4m/s（4,727kg時） |
| 高度到達時間 | 10,000mまで10分6秒 |
| 翼面荷重 | 196.8kg/�� |
| パワー/マス | 323W/kg |
| 武装 | MK 108 30mm機関砲×1門（装弾数85発） MG 151/20 20mm機関砲×2門（装弾数各350発） |
主な形式 †
- Ta 152 A：
通常型。
武装は機首20mm機関砲+内翼20mm機関砲計4門および30mmモーターカノンを装備する。
高々度用のタイプを優先するために開発中止になった。
- Ta 152 B：
対地攻撃機型。迎撃戦闘機型を優先する必要から開発中止となった。
武装は30mmモーターカノン+両翼に30mm機関砲と20mm機関砲計4門+主翼下ガンポッドの装備が計画されていた。
- Ta152B-5/R11：
Ta152C-3にJumo213E-2とMW50出力増強装置を搭載し、武装に30mm機関砲3門を装備した型。
試作のみ。
- Ta152B-7：
Jumo213J（離昇2,240PS）と4翅プロペラを装備した型。計画のみ。
- Ta152B-5/R11：
- Ta 152 C-0：
B型をベースにエンジンを換装した型。
エンジンはダイムラー・ベンツ DB 603E（最大1,800PS）またはDB 603LA（最大2,000PS）を搭載。
武装は機首と内翼のMG151/20 20mm機関砲4門+MK108 30mm機関砲1門。
- Ta152C-1：
標準翼型。
武装は機首と内翼のMG151/20 20mm機関砲+MK108 30mm機関砲1門。
- Ta152C-2：
改良型無線機を装備する型。
- Ta152C-3：
MK108 30mm機関砲をMK103 30mm機関砲に換装した型。
- Ta152H-0：
翼内燃料タンクを装備しない先行量産型。
エンジンはJumo213Eを搭載。
- Ta152H-1：
H型の本格量産型。翼内燃料タンクを装備する。
エンジンはJumo213EにGM-1出力増加装置を付加したJumo213EB（緊急出力2,000PSまたは2,170PS）を搭載。
無線機を改良したH-2のほか、偵察機型のH-10/H-11/H-12も計画されていた。
- Ta 152 E：
写真偵察機型。計画のみ。
エンジンはJumo213Eを搭載。
E-0/E-1型はC型と同じ切り詰めた主翼、E-2型はH型と同じ主翼を装備する高高度写真偵察機であった。
- Ta 152 S：
タンデム複座の練習機型。C型ベースとH型ベースがあったが生産されず。
