【TBF】(てぃーびーえふ)

Grumman TBF "Avenger".

1930年代〜1940年代にアメリカのグラマン社が開発・生産し、アメリカ海軍/海兵隊に納入された単発レシプロ艦上攻撃機雷撃機)。

1942年のミッドウェー海戦でデビューし、以後、アメリカ海軍航空隊の主力艦上攻撃機*1として活躍した。
生産途中からグラマンに代わってゼネラル・モーターズ社が生産を引き継ぎ、同社で生産された機体は「TBM」と呼ばれた。

本機は、前任の艦載雷撃機であったダグラスTBD「デバステイター」の欠点「航続距離が短すぎて戦闘機急降下爆撃機と連携できない」点を解消するため、内部燃料タンクを大型化し、さらに航空魚雷を機内に格納するウェポンベイ方式を採用した。
このため、1940年代当時の艦載機としてはかなり大型の機体に仕上がった。

操縦席背面の機銃は全周旋回可能な銃塔式となり、機体下面にも引き込み式の機銃が備えられ、機内は複数の階層構造となっているなど、双発大型陸上爆撃機に似た異色な構造を持っていた。

本機は雷撃機としては世界最高水準の性能を誇り、日本海軍零戦がアメリカのF6Fによって劣勢に追い込まれた1943年以降の海戦で活躍し、戦艦大和武蔵空母瑞鶴など多数の日本艦を撃沈する戦果を挙げた。


*1 なお、日本語の文脈では「艦上攻撃機」とされているが、日本の艦上攻撃機が「流星」以外急降下爆撃の能力がなかったのに対し、本機には急降下爆撃の可能な機体もあった。

トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS