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- T-80(主力戦車) へ行く。
- 1 (2023-07-03 (月) 07:51:01)
- 2 (2023-07-04 (火) 13:47:35)
- 3 (2023-07-04 (火) 18:38:36)
【T-80】 †
ソ連(ロシア)の主力戦車。
T-64の改良・発展型として1960年代末期から開発され、ソ連軍には1976年に採用された。
エンジンにはガスタービンエンジンを採用している*1が、T-80UDではディーゼルエンジンを採用している。
主砲は2A46M-1 125mm滑腔砲を搭載し、主砲はAPFSDSやHE-FRAG(高性能榴弾)のほか、レーザー・ビームライディング誘導対戦車ミサイルを発射できる。
ミサイルは、9M112「コブラ(NATOコード AT-8「ソングスター」)」及び9M119M「レフレークスM(AT-11「スナイパーB」)」対戦車ミサイルを搭載し、どちらも最大4,000mでの交戦が可能。
ロシア陸軍の他、ウクライナやアラブ首長国連邦、韓国などに輸出されている。
改良型として、「コンタークト5」爆発反応装甲を装備し、ガスタービンエンジンをGTD-1250(1,250hp)に換装したT-80Uなどがある。
スペックデータ †
乗員 | 3名 |
全長 | 9.53m 9.651m(T-80U) |
車体長 | 7m |
全高 | 2.22m 2.202m(T-80U) |
全幅 | 3.78m 3.582m(T-80U) |
戦闘重量 | 46.5t 46t(T-80U) |
懸架方式 | トーションバー |
エンジン | T-80A:GTD-1000ガスタービン T-80U:GTD-1000TFまたはGTD-1250ガスタービン T-80UD:6TD水平対向型ディーゼル |
エンジン出力 | 1,000hp(GTD-1000/1000TF) 1,250hp(GTD-1250) 1,000hp(6TD) |
登坂力 | 60% |
超堤高 | 0.85m |
超壕幅 | 2.8m |
最大速度 (路上/不整地) | 65km/h / 45km/h 70km/h / 50km/h(T-80U) |
行動距離 | 335km/600km(外部燃料タンク搭載時) 400km(T-80U) |
装甲 | 複合装甲 「コンタークト1」ERA その他各種装甲 |
兵装 | 2A46M-1 125mm滑腔砲×1門(携行弾数43発) NSTV 12.7mm重機関銃×1挺(携行弾数300発) PKT 7.62mm機関銃1挺(携行弾数2,000発) |
生産台数 | 455輌 |
主なバリエーション(カッコ内は開発名称) †
- SKB-2:
T-80の原型。
T-64の発展型としてレニングラードのキーロフ工場で開発された。
- T-80(オブイェクト219):
T-64にGTD-1000ガスタービン(1,100馬力)を搭載した初期量産型。
- T-80M-1:
「アリーナ」アクティブ防護システムを装備し、砲塔周辺に装甲を追加した型。
- T-80M-1:
- T-80(オブイェクト219):
- T-80B(オブイェクト219R):
9M112「コブラ」対戦車ミサイルの運用能力やAPFSDS対策にセラミック装甲を追加した型。
- T-80B obr.1980g.:
T-80BにGTD-1000TFガスタービン(出力1,100馬力)を搭載した型。
- T-80B obr.1980g.:
- T-80A(オブイェクト219A):
T-80UD仕様への改修型。
- T-80AK:
T-80Aの指揮戦車型。
- T-80AK obr.1984(T-80AKVとも):
T-80AKに「コンタークト1」爆発反応装甲を装備した型。
- T-80AK obr.1984(T-80AKVとも):
- T-80U(オブイェクト219AS):
T-80U 1985年型。
9M114「レフレークス」対戦車ミサイルの運用能力を獲得した。
また、砲塔が新しくなり、新型の「コンタークト5」爆発反応装甲やナビゲーションシステムが装備された。
エンジンはGTD-1000Fガスタービン(出力1,100hp)を搭載している。
- T-80U obr.1992:
T-80UのエンジンをGTD-1250ガスタービン(出力1,250hp)に換装した型。
- T-80UK:
T-80Uの指揮戦車型。
新装備としてTShU-1-7「シュトーラ-1」アクティブ防御システム、TNA-4-3ナビゲーションシステム、R-163-50KおよびR-163-U無線機などを装備した。
- T-80UE:
T-80UKの輸出型。
TShU-1-7「シュトーラ」は装備していない。
- T-80UK:
- T-80UM(オブイェクト219AS-M):
T-80Uの発展型。
火器管制装置が刷新され、9M119M「レフレークスM(AT-11「スナイパーB」)」対戦車ミサイルが発射可能となった。
また、画像サイトを従来の「ルナー」赤外線画像サイトから"Agava-M1"温度画像サイトに換装している(オプションで"Agava-2"または"「ブラン-R」"に換装可能)。
- T-80UM1「バールス*2」:
T-80Uの発展型で「アリーナ」アクティブ防御システムを装備する。
オムスクでの兵器ショーでは常連だが、まだ販売には至っていない模様である。
- チョールヌイ・オリョール:
T-80UM-2と呼ばれるT-80UMの発展型。詳しくは項を参照。
- T-80UM1「バールス*2」:
- T-80UD「ベリョーザ*3」(オブイェクト478B):
もともとは旧ソ連向けに1985年に開発したT-80Uの派生型で、整備維持コストと調達コストの低減を図るユーザー向けのモデル。
エンジンはT-64用の6TD水平対向型ディーゼル(1,000馬力)を搭載する。
パキスタンにも輸出された。
- T-80UDK:
T-80UDの指揮戦車型。試作のみ。
- オブイェクト478BK:
溶接砲塔を装備したT-80UD。
- オブイェクト478BEh:
パキスタンに売却されたT-80UD。
- T-84:
ウクライナが開発したT-80UDの発展型。詳しくは項を参照。
- T-80UDK:
- T-80BVM:
2017年に発表された改修試作型。
「レリークト」爆発反応装甲や「ソスナーU」ガンナーサイトを装備し、T-14?やT-90MSで導入された技術をキックバックしている。
- T-80U obr.1992:
派生型 †
- BREM-80U:
T-80Uの車体を流用して開発された装甲回収車型。
18tクレーンと35tウィンチを搭載。
- BTU-80:
T-80Uの車体をベースにしたブルドーザー型。
- MTU-80:
T-80のシャーシをベースにした架橋戦車型。
- PTS-4:
T-80をベースにした水陸両用車型。
- BREM-84:
BMP-1ベースのBREM-2やT-64ベースのBREM-64の後継車輌として、オプロートの車体をベースに開発された装甲回収車型。
実質的には、T-80UDのプラットフォームが使用された。
BREMとは、「Броньована ремонтна евакуаційна машина」(装甲を施された修理・回収用車輌という意味)の略語である。
- 2S19「ムスタ-S」?:
T-80の走行システムにT-72のV-84Aディーゼルエンジンを組み合わせた自走榴弾砲。
詳しくは項を参照。
- T-90:
T-72の車体設計を元にT-80の技術を組み合わせた車両。
詳しくは項を参照。
*1 他にガスタービンエンジンを採用した戦車としては、アメリカのM1「エイブラムス」やスウェーデンのStrv.103などがある。
*2 «Барс»:ロシア語で「雪豹」のこと。
*3 «Берёза» :ロシア語で「白樺」を意味する。