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【T-2】 †
- アメリカ海軍が用いていた艦上練習機。
愛称はBUCKEYE *1。
初飛行は1958年という古参兵で、T-2C以降の型は主翼下4箇所のパイロンにガンポッドや爆弾等の兵装を装備することが可能で、軽攻撃機(COIN機)としての運用も可能である。
アメリカ海軍ではT-45の配備で2008年に全機退役したが、ベネズエラやギリシャに輸出された型は引き続き運用されている。
【スペックデータ】
乗員:2名
全長:11m
全幅:10.3m
全高:4.5m
空虚重量:3,652kg
エンジン:ゼネラル・エレクトリック 085-GE-4 ターボジェットエンジン(推力13kN)2基
最大速度:834km/h
航続距離:1,456km
到達高度:13,500m
兵装:固定武装なし、外部兵装に機関砲ポッドや爆弾等を最大1,600kg搭載可能。
【主な派生型】
- YT2J-1
評価試験用に生産された原型機。後にYT-2Aと改称。6機が生産された。 - T-2A
単発エンジンを持つ最初の量産型。旧称T2J-1。217機が生産された。 - T-2B
アメリカ海軍の要望を受けて改良された型。
安全性の観点からエンジンをWE J34 ターボジェットエンジン1基から P&W J60 ターボジェットエンジン2基に変更した。旧称T2J-2。97機が生産された。 - T-2C
B型のエンジンをGE J-85 ターボジェットエンジンに換装し、外部兵装搭載能力を付与した改良型。231機が生産された。 - T-2D
T-2Cのベネズエラ空軍向け生産型。12機が生産された。 - T-2E
T-2Cのギリシャ空軍向け生産型。30機が生産された。
- YT2J-1
- 三菱重工など国内航空産業が合同製作した高等超音速練習機。
1975年から計96機が引き渡され、一部はブルーインパルスの二代目使用機として改造された。また支援戦闘機F-1の原型機でもある。
国産初の超音速機で、そのうちの1機がCCV仕様に改造されて飛行するなど、日本の航空機技術の発展に多大な影響を与えた一方で、イギリスの「ジャギュア」攻撃機に異様に酷似していたため、「設計を真似たのではないか」などの批判もあった(もちろん、直接の関係は無い)。
本機の特徴としては、専用練習機でもあるにかかわらず機関砲やFCSが固定装備されていることである。
(なお、これは後期ロットの機体だけで、装備されていない前期ロットの機体には同重量のバラストを積んでいる。)
これは、本機を訓練に用いる戦闘機パイロット候補生に超音速機の飛行特性を学習させるのと同時に、戦闘飛行に必要なノウハウを学習させる「教材」とするために採用されたものであるが、こうした機体が採用された背景には、空自のパイロット養成事情が大きく影響している。*2
(実際の運用では、訓練の初期には前期ロットの機体を使い、後期の戦技訓練では後期ロットの機体を使っていた)
本機は主に松島基地の第21・22飛行隊に配備されていたが、F-2Bの配備に伴い、松島基地では2004年までに全機退役。また、岐阜・築城の両基地に残っていた機体も2006年までに全機退役し、「歴史上の存在」となった。
【スペックデータ】
乗員:2名
全長:17.85m
全高:4.45m
全幅:7.88m
空虚重量:6,200kg
最大離陸重量:11,500kg
エンジン:RR/IHI TF40-IHI-801A(出力2,320kgf×2 / 3,310kgf×2(A/B使用時)×2
最大速度:M1.6
固定武装:JM61 20mm機関砲
【派生型】
- XT-2
試作機。4機が製作され、それぞれ前期型と後期型がある。(前期型:#101・103、後期型:#102・#104) - T-2(前期型)
武装と火器管制レーダー装置を搭載していない機体。
俗にT-2Aともいう(#105〜#124、#147〜#156)。 - T-2(後期型)
JM61?バルカン砲と火器管制レーダー装置を搭載した機体。
俗にT-2Bともいう(#125〜#146、#157〜#196)。 - T-2特別仕様
支援戦闘機のプロトタイプ機(#106、#107を改修) - FS-T2改
支援戦闘機計画の呼称。 - F-1
量産型支援戦闘機(77機)。詳しくはF-1を参照。 - T-2CCV
運動能力向上研究機(試作機#103を改造)
機首に垂直1枚・水平2枚のカナード翼を取り付けているほか、三菱デジタル・フライバイワイヤーシステムを使用して、動作をコンピューターで補助する機構をもたせている。
- XT-2
*1 本来の意味はセイヨウトチノキの実の事だが、「大きな目」を意味するスラングでもあり、「後方視界(BackEye?)」に掛けて「後ろを取らせない」優秀なパイロット」の意味を持つ
*2 防衛予算の関係から、パイロットの養成にかけられる費用の制約が他国空軍に比べて厳しいため、養成課程の段階から戦闘飛行の基本を一通り学ばせて「即戦力」としなければならない、という事情があったとされる。