*&ruby(めっさーしゅみっといちろくさん){【Me163】}; [#k5739a05]
Messerschmitt Me 163 Komet.~
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[[第二次世界大戦]]中、ドイツの[[メッサーシュミット]]社が開発、[[ドイツ空軍>ルフトバッフェ]]で運用された世界初の[[ロケット>ロケットエンジン]]推進[[迎撃戦闘機]]で、愛称は「コメット（Komet：彗星）」。~
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加速力・上昇力は同時期の[[レシプロ>レシプロエンジン]]機よりも格段に優れていたが、エンジンの信頼性が低く、[[航続距離]]が極端に短いことが欠点であった((燃料を使い切った後の本機は鈍重な[[グライダー>滑空機]]でしかなく、着陸時や着陸後は[[連合国軍>連合国（第二次世界大戦）]][[戦闘機]]の格好の餌食となった。))。~
また、高温の燃焼ガスを噴出するため[[滑走路]]に対策を施さなければならず、[[燃料]]・[[酸化剤]]も特別な施設で保管・管理する必要があった。~
特に燃料（C液）にはヒドラジンとメチルアルコール、酸化剤（T液）には高濃度の過酸化水素を主成分としており、[[搭乗員>エビエーター]]や[[整備員>航空整備士]]は常に生命の危険にさらされたという。~
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関連：[[秋水]]~
**スペックデータ（Me 163 B-1a） [#yb91cee7]
|乗員|1名|
|全長|5.7m|
|全高|2.5m|
|翼幅|9.3m|
|翼面積|19.6��|
|空虚重量|1,905kg|
|最大離陸重量|4,309kg|
|[[燃料]]容量|C液（メチルアルコールとヒドラジン）：468kg&br;T液（過酸化水素）：1,550kg|
|[[エンジン]]|HWK 109-509A-2 ヴァルター式[[ロケットエンジン]]（[[液体燃料ロケット]]）×1基|
|出力|最大：14.71kN（3,307lbf）&br;最小：0.98kN（220lbf）|
|超過禁止速度|900km/h|
|[[フラップ]]制限速度|300km/h|
|[[機首]]引き起こし速度&br;（[[離陸]]）|280km/h|
|適正上昇速度|700〜720km/h|
|航続時間|7.5分（推進時）|
|[[上昇限度]]|15,500m|
|[[上昇率]]|81m/s|
|上昇能力|2,000m/1.48min&br;4,000m/2.02min&br;6,000m/2.27min&br;8,000m/2.54min&br;10,000m/3.19min&br;12,000m/3.45min|
|[[翼面荷重]]|209kg/�屐丙蚤舂ノ�重量時）|
|[[推力重量比]]|0.42|
|武装|ラインメタル MK 108 30mm[[機関砲]]×2門（装弾数60発）または&br;MG 151/20 20mm機関砲×2基（装弾数100発）（Ba-1/B-0（先行量産機））|
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***バリエーション [#wfc170db]
-DFS194：~
原型機で、安定性と操縦性研究のための補助ロケット付き[[グライダー>滑空機]]。~
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-Me163A：~
ロケット動力の研究機であるDFS 194の改良型。~
実用型のMe 163 Bとは異なる外観を持つ。~
エンジンはHWK-R2-203（推力750kg）を搭載。~
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-Me163B-0：~
HWK-109-509A2（推力1,700kg）を搭載した先行量産型。70機生産。~
固定武装は主にMG151/20 20mm機関砲×2門（弾薬各100発）を装備するが、V46号機以降はMK 108 30mm機関砲×2門（弾薬各60発）を装備した。~
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-Me163B-0/R1：~
V46号機以降の機体に類似した型。~
クレム社ベブリンゲン工場で20機のみ作られた。~
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-Me163B-0/R2：~
B-0に類似しているが、B-1の量産用の翼を使用している。~
クレム社ベブリンゲン工場で30機のみ作られた。~
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-Me163B-1a：~
HWK-109-509A（推力1,700kg）を搭載。279機生産。~
MK 108 30mm機関砲2門（弾薬各60発）を装備。~
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-Me163B-2：~
標準量産型。クレム社で生産が予定されていた。~
武装・無線機ともB-1と同じだが、エンジンは巡航燃焼室の無いHWK-109-509Bの予定だった。~
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-Me163C：~
補助燃焼室を持つHWK-109/509C-1（推力2,000kg）を搭載。~
燃料搭載量を増やして航続時間の延長を目指した。~
涙滴式風防、与圧[[キャノピー]]、30mm機関砲を4門に増やすなどの改良を加え、試作機が3機ほど完成していたと見られるが、Me 163Dの方が有望であると判断されて生産は中止された。~
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-Me163S：~
B-1aの武装、ロケットエンジンを撤去して複座化した練習機。少数生産。~
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-Me163D / Me263（Ju248）：~
[[ユンカース]]社によって大幅な再設計がなされた機体。~
[[橇式>ランディングスキッド]]だった[[降着装置]]は[[前車輪式>前輪式]]の油圧引込脚が装備され、胴体も真円断面構造に変更されている。~
エンジンはHWK-109/509C-1を搭載し、航続時間も15分と延長された。~
固定武装にMK 108 30mm機関砲2門（弾薬各40発）を装備。~
試作機が動力飛行テストなどを行ったが、量産には至らなかった。~
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