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【MIM-14】 †
MIM-14
冷戦時代にアメリカが開発・配備した大型地対空ミサイル。
アメリカ陸軍で、本土及び最前線の戦略拠点の防空に利用されていた高射砲の代替として登場した「ナイキ・エイジャックス」ミサイルの後継としてデビューしたものである。
アメリカの他、NATO?諸国(旧西ドイツ・オランダ・ベルギー・ギリシャ)や日本・台湾・トルコ・韓国・ノルウェーにも輸出された。
日本では「地対空誘導弾ナイキJ」として航空自衛隊が運用していた。(1994年退役)
また、韓国では旧式化したMIM-14を地対地ミサイルへ改修し、「玄武 」として使用していた。
主として中〜高高度域において戦略爆撃機編隊や弾道ミサイルを迎撃するためのミサイルで、弾頭部とブースターにそれぞれ固体燃料ロケットエンジンを持っていた。
弾頭には、破片効果弾頭(通常爆薬)または核弾頭が用いられていた。*1
アメリカでは1979年まで運用され続け、それ以外の国でも1980〜1990年代まで広く運用されていたが、後継の「パトリオット」ミサイルの登場や冷戦の終結に伴い、現在はほとんどが退役している。
その後、退役した弾体の一部が観測ロケットに改造されている。
カタログスペック(MIM-14B) †
- 全長 12.52m
- 翼幅 1.88m(ブースター部3.5m)
- 直径 53cm(ブースター部80cm)
- 発射重量 4850kg
- 最大速度 マッハ3.65
- 最大到達高度 45700m
- 射程距離 110km
- 動力 固体燃料ロケットモーター×2(本体及びブースター)
- 弾頭 500kg通常爆薬(破片効果弾頭)または核弾頭(2キロトンまたは40キロトン)
*1 日本ではこの「核弾頭装備可能」という部分を強調した革新政党と傘下の市民団体による猛反発が起き、最高裁判所まで争う行政訴訟に発展したところも現れた。なお、日本向けのナイキJには核弾頭運用機能は実装されていない