【LORAN】(ろらん)

Long-Range Navigation.

かつて船舶や航空機で用いられてきた航法システムの一つ。

「二点から距離差が一定な点は双曲線を描く」という幾何学法則を用いたシステムで、2か所の無線測位局から発信された電波を受信して到達時間差から距離の差を求め、得られた地図上の双曲線上で自らの位置を確認するものである。
使用する電波周波数により「ロランA*1」「ロランC*2」という種類があった。

本システムは、第二次世界大戦時にアメリカ海軍がマサチューセッツ工科大学と共に英海軍の「GEE電波航法」をもとに開発し、1942年から太平洋戦域で運用を開始した。
戦後、アメリカ海軍及びアメリカ沿岸警備隊によって世界各地に無線測位局が設置されて運用されてきたが、測位に人工衛星を用いる全地球測位装置の普及とともに需要が減少し、現在ではほとんどの地域で運用が終息している。

しかし、全地球測位装置にも種々の欠点があることから「eLORAN」としてシステムの見直しがなされたこともあり、欧州では2010年代にシステムの構築が行われていたが、短期間でサービスを終了している。


*1 使用周波数帯は1750〜1950kHz。最高有効距離は700海里(日中)/1,400海里(夜間)。
*2 使用周波数帯は100kHz。最高有効距離は約2,300海里。

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