【JDAM】 †
Joint Direct Attack Munition
低抵抗爆弾やクラスター爆弾に対して、慣性誘導およびGPS誘導による誘導爆弾としての機能を追加するためのキット。*1
主契約社はマクダネル・ダグラス(現ボーイング)。
レーザー誘導爆弾は高い命中精度を誇る反面、悪天候では使えず、また命中まで目標にレーザーを照射し続けなければならないといった弱点が湾岸戦争で問題となった。
こうした弱点を解消するためレーザーに頼らない誘導爆弾として開発されたのがJDAMである。
JDAMは、あらかじめ設定された座標へ向けてGPSで誘導される。
また、落下中の弾道を制御するためにINSも備えているが、これはGPSの電波を受信できない場合の誘導にも用いられる。
このため悪天候や電波障害の際にも使用でき、また完全な撃ちっ放し能力を有する。
なお、爆弾の起爆やクラスター爆弾の子弾を散布する高度を設定することもできるが、こちらは搭載母機の離陸前に済ませる必要があり、飛行中に変更することはできない。
この種の誘導兵器としては非常に安価であるため、多くの国が欲しがってはいるが、安全保障の観点から武器輸出管理法?の下でアメリカが認めた国以外へは輸出されていない。
航空自衛隊もF-2などの装備としてJDAMの導入を予定している。
一方でINSやGPSはレーザーに比べれば精度に劣るため、半数必中界はGPS/INS併用時では13m、INSのみの場合では30mと多少広くなってしまう。
また目標の座標設定は投下までに実施しなければならないため、移動物に対する命中精度は特に低くなる。
さらには誘導装置の設定ミスにより、友軍に対する誤爆を引き起こす可能性も高い。*2
こうした弱点を補うため、JDAMにセミアクティブレーザー誘導の機能を付加したLJDAM(レーザーJDAM)も開発されている。
このシステムは、アメリカ国外ではドイツが最初の購入国になる予定で、2009年に引渡しが始まる予定である。
また、日本でも導入が決定している。