*&ruby(あいえるさんじゅうはち){【Il-38】}; [#t69179ce]
1960年代、旧ソ連のイリューシン設計局が開発・生産した[[四発>多発機]][[ターボプロップ]][[対潜哨戒機]]。~
[[NATOコード]]は「&ruby(メイ){May};」。~
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機体は同時期に生産されていたターボプロップ[[旅客機]]・[[Il-18]]をベースにしている((これはアメリカの[[ロッキード]][[P-3]]と似ているため、「ロシアン・オライオン」とも呼ばれていた。))が、重心位置の変更に伴って[[主翼]]は前寄りに取り付けられた。~
胴体後端には[[MAD>磁気捜索装置]]ブーム、[[機首]]下部にはマッシュルーム型の[[レドーム]]が張り出しており、機体各所に[[ESM]]のアンテナがつけられていた。~
武装は[[対潜魚雷]]・[[爆雷]]・[[機雷]]などを[[ウェポンベイ]]に[[ソノブイ]]と共に搭載している他、翼の下にKh-35[[空対艦ミサイル]]を搭載することも可能である。~
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本機の開発は1961年に始まり、1967年から実戦投入された。~
西側に存在が知られたのは1970年のことで、当時は北大西洋やバルト海を[[哨戒>偵察]]していたが、時にはイエメンやリビア、シリアなどの中東にも派遣されていた。~
近年では日本近海にも派遣されており、[[航空自衛隊]]機による[[スクランブル]]を受けたこともある。~
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本機と類似のルーツを持つアメリカの[[P-3]]は、世界20か国以上に輸出されているが、本機を採用したのはソ連/ロシア海軍以外ではインド海軍のみであった。~
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**スペックデータ [#x07c2cec]
|乗員|7〜8名|
|全長|40.185m|
|全高|10.17m|
|翼幅|37.4m|
|翼面積|140��|
|空虚重量|35,500kg|
|最大離陸重量|66,000kg|
|[[エンジン]]|イフチェンコ/プログレス AI-20M[[ターボプロップ]]×4基&br;（出力4,225hp（3,151kW））|
|最高速度|645km/h|
|[[フェリー>回航]][[航続距離]]|7,500km|
|滞空時間|13時間|
|[[上昇限度]]|11,000m|
|[[上昇率]]|5.33m/s|
|武装|9,000kgまでの[[機雷]]、[[爆雷]]、[[対潜魚雷]]、Kh-35[[空対艦ミサイル]]を搭載可能|
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**バリエーション [#m5e9593d]
-Il-38：~
標準型。~
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-Il-38M：~
[[プローブアンドドローグ]]方式の一部として受油プローブを変更した型。採用されず。~
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-Il-38MZ：~
[[空中給油機]]型。試作のみ。~
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-Il-38N：~
近代化改修型。~
ノヴェッラP-38海上探知システム複合体を装備する。~
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-Il-38SD：~
インド海軍向け改良型。~
Il-38Nと多くの共通性を持ち、「シードラゴン」照準・航法システムを装備する。~
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