【IA58】(あいえーごじゅうはち) †

FMA IA58 Pucara
アルゼンチンのFMA（国営軍用機工場）が開発したCOIN機。
世界でも珍しい、最初からCOIN機として設計された機体である。

愛称である「プカラ」はアイマラ語*1で「強きもの」を意味し、南アメリカ先住民が築いたアンデスの石の要塞の名にちなんで名づけられている。

アルゼンチンは細長い国土に山岳地帯や草原地帯を持ち、かつて反政府共産ゲリラが暗躍するには格好の地であった。
このためゲリラ狩り専用の攻撃機として設計された。
タンデム複座のコックピットに、双発ターボプロップやT尾翼を組み合わせた、独特の外観を持つ。
STOL性が高く、低圧タイヤを装備しているため、あらゆる飛行場から作戦を行うことができる
固定武装として7.62mm機銃4門と20mm機関砲2門を持ち、パイロンには爆弾、ロケット弾、偵察用カメラ、増槽などを計1.5トンまで装備することができる。

フォークランド紛争にも参戦し、25機がフォークランド諸島（ポート･スタンリー、グースグリーン、ペブル島）の前線飛行場に展開した。だが、もっぱら対ゲリラ用の機体であったため、そのうち22機が英空軍の空爆や英海軍の艦砲射撃、英陸軍（SAS）と海兵隊（SBS）の破壊工作で撃破された。
戦果はイギリス陸軍航空隊のウェストランド スカウトを1機撃墜したのみであった。
しかし生き残った機体が現在でも使用されている。

また、ウルグアイ、コロンビア、スリランカに輸出されているが、現在でも稼動しているのはアルゼンチンとウルグアイのみである。

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スペックデータ †

全幅：14.50m
全長：14.25m
全高：5.36m
主翼面積：30.3��
空虚重量：4,020kg
離陸重量：5,300kg（標準）/6,800kg（最大）
最大兵装搭載量：1,500kg
エンジン：チュルボメカ製アスタズーX ��Gターボプロップエンジン（推力671kW）2基
速度：270kt(最高、クリーン時)/259kt（巡航）
超過禁止速度：405kt
海面上昇率：1,080m/min
実用上昇限度：10,000m
滑走距離：300m（離陸時）/200m（着陸時）
荷重制限：+6G/-3G
航続距離：2,002nm(増槽最大、フェリー時)
戦闘行動半径：189nm(Hi-Lo-Hi、兵装1,500kg)/350nm(Hi-Lo-Hi、兵装1,000kg)
乗員：2名
固定武装：DEFA 30mm機関砲2門(IA58B)、Hispano-Suiza HS.804 20mm機関砲2門、FM M2-20 7.62mm機銃4挺
兵装：通常爆弾、ナパーム弾、ロケット弾ポッド、偵察ポッド、増槽等

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派生型 †

  • AX-2
    1機のみ生産された試作型。量産型とはエンジンが異なる（ギャレット製TPE331-U-303を搭載）。

  • IA58A
    量産型。

  • IA58B
    20mm砲をDEFA?30mm砲に変更したタイプ。試作のみ。

  • IA58C
    単座化して武装と装甲を強化したタイプ。試作のみ。

  • IA66
    エンジン強化型（ギャレット製TPE331-11-601Wを搭載）。試作のみ。

参照：http://weapons-free.masdf.com/air/argentine/pucara.html

*1 ボリビアとペルーの公用語の一つ

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