He162 のバックアップ(No.3) - 航空軍事用語辞典＋＋

【He162】(はーいーはんだーとつぶぁいうんとぜくつぃひ) †

Heinkel He162.

ドイツのハインケル社が第二次世界大戦末期に開発、ルフトバッフェで運用されたジェット戦闘機。

愛称は無いが、開発計画名である「Volksjäger(フォルクスイェーガー)」*1や「Salamnder(サラマンダー)」と呼称される場合がある。

開発: 連合国の大規模空襲に対抗するための「国民戦闘機」計画に基づき、1944年9月に開発が開始され、試作機は試作・製造段階も含めわずか3ヶ月の間に完成、1944年12月に試作機が初飛行した。
設計: 良好な生産性確保のため製造工程が抑えられ、基調資源の消費量を抑えるため機体構造に木が積極的に用いられるなど、戦況の逼迫していた当時のドイツに合わせた機体となっていた。
小型の主翼は高翼配置で、左右の水平尾翼翼端部に垂直尾翼が取り付けられていた。
ただし、胴体上部にカウリングごと直接ジェットエンジンを搭載するという特異な設計により、エアインテークが操縦席の斜め上後方へ配置され、結果として搭乗者が脱出した際にジェットエンジンの吸気に巻き込まれる危険性が高まった。
エンジン: 「BMW 003」（ドイツ航空省呼称：109-003）ジェットエンジンを1基搭載したが、信頼性が低く故障率が高かった。
武装: A-0及びA-1は対爆撃機戦闘を考慮してMK108 30mm機関砲×2門を、A-2はMG151/20 20mm機関砲×2門を搭載した。

型式	He162A-1
乗員	1名
全長	9.05m
翼幅	7.2m
全高	2.6m
翼面積	11.16㎡
空虚重量	1,660kg
最大離陸重量	2,880kg
燃料容量	695L
エンジン	BMW 003 E-1 もしくは BMW 003 E-2×1基
出力	7.85kN
最高速度	通常出力：790km/h@海面高度　840km/h@6,000m 緊急出力：890km/h@海面高度　905km/h@6,000m
航続距離	975km
上昇限度	12,000m
上昇率	23.42m/s
翼面荷重	252kg/㎡
出力重量比?	0.35（通常出力） 0.41（緊急出力）
武装	MK 108 30mm機関砲×2門（携行弾数各50発）

*1 「国民戦闘機」の意。