【E-6】(いーろく)

Boeing E-6"Mercury".

アメリカ海軍が、潜水艦と地上との通信中継に用いるため、B707旅客機をベースに改造した機体。

海中に潜む潜水艦と地上との通信は、水上の船舶のように短波や超短波を用いては海中において減衰が激しいため、波長が長く減衰の少ない超長波(VLF)が用いられる。
しかし、超長波の通信施設を陸上に設置するとどうしても施設が大きくなり、攻撃に対して非常に脆弱である。
そこで、通信施設一式を航空機に搭載することが考えられた。

アメリカ海軍は、1960年代からこの任務に、C-130輸送機を改造した「EC-130G/Q」を用いてきたが、同機が老朽化したため、その代替として1980年代に本機が生産された*1
本機には、VLF通信用のアンテナとして1,220mと7,925mのアンテナ線(重しを兼ねる吹き流し付き)を搭載しており、これを機体後部から展開させて定点を旋回飛行しながら通信を行う。


*1 本機などを生産するため、B707の生産ラインは1980年代になっても稼働を続けていた。

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