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*&ruby(びーえふひゃくじゅう){【Bf110】}; [#ra5a332a]
Messerschmitt Bf 110.
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Messerschmitt Bf 110.~
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ドイツのバイエルン航空機製造（後のメッサーシュミット）が開発、[[第二次世界大戦]]期の[[ドイツ空軍]]で運用された[[双発]]の[[重戦闘機]]。~
ドイツのバイエルン航空機製造（後のメッサーシュミット）が開発、[[第二次世界大戦]]期の[[ドイツ空軍>ルフトバッフェ]]で運用された[[双発>双発機]]の[[重戦闘機]]。~
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1934年秋、[[爆撃機]]護衛や対地攻撃、強行偵察など多岐にわたる任務を一手に担うことが可能でかつ長距離飛行の可能な多目的双発戦闘機計画が開始、ドイツ空軍大臣ヘルマン・ゲーリングがこれを最優先開発機種として開発を推し進めた。~
戦闘駆逐機（Kampfzerstörer）という分類の与えられたこの計画にはドイツの航空機設計7社が参加、内3社の機体の比較試験が実施されることとなる。~
このうち、バイエルン社のメッサーシュミットが設計した機体は計画にあった爆弾倉を省いたことにより、他社の機体と比べて高い飛行性能を発揮、当時の主力[[単発]]戦闘機であった[[Bf 109 B>Bf109]]よりも優速、搭載する固定武装も強力であったことから、[[制式]]採用された。~
このうち、バイエルン社のメッサーシュミットが設計した機体は計画にあった爆弾倉を省いたことで細く絞られた胴体から、他社の機体と比べて高い飛行性能を発揮、当時のドイツ空軍主力[[単発>単発機]]戦闘機であった[[Bf 109 B>Bf109]]よりも優速((ただし、この優速は第二次世界大戦開戦時まで保たれなかった))、搭載する固定武装も強力であったことから、[[制式]]採用された。~
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機体設計は同時期の[[双発]]戦闘機であるイギリスの[[ボーファイター]]と比べて非常に細いため空力的に優れる一方、重量や空気抵抗の差から多くの[[単発]]戦闘機には[[運動性]]で劣った。~
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機体設計は同時期のイギリスの[[双発>双発機]]戦闘機であるブリストル・[[ボーファイター]]と比べて非常に細いため空力的に優れる一方、重量や空気抵抗の差から多くの[[単発>単発機]]戦闘機には[[運動性]]で劣った。~
初の実戦は第二次世界大戦開戦時のポーランド侵攻で、配備部隊は少なかったものの旧式のポーランド空軍機を圧倒的な優速で駆逐した。~
また、フランス侵攻ではより[[運動性]]に優れる英仏の[[単発]]戦闘機に対し、高度優位からの[[一撃離脱>ヒットアンドアウェイ]]を主戦法とすることで、損害を抑えつつフランス上空の制空権掌握に寄与した。~
しかし、[[バトル・オブ・ブリテン]]で爆撃機の護衛戦闘機として運用された際は、イギリス側の防空レーダーシステムによって接近が早期に察知されることにより、高度不利状況での交戦が増え、その武装を活かせないまま[[運動性]]に優れる[[英空軍>RAF]]の[[単発]]戦闘機、[[スピットファイア>スピットファイア（戦闘機）]]や[[ハリケーン]]に多くが撃墜された。~
また、西方電撃戦（フランス侵攻）ではより[[運動性]]に優れる英仏の[[単発]]戦闘機に対し、高度優位からの[[一撃離脱>ヒットアンドアウェイ]]を主戦法とすることで、損害を抑えつつフランス上空の制空権掌握に寄与した。~
しかし、[[バトル・オブ・ブリテン]]で爆撃機の護衛戦闘機として運用された際は、イギリス側の防空レーダーシステムによって接近が早期に察知されることにより、高度不利状況での交戦が増え、その武装を活かせないまま[[運動性]]に優れる英空軍の[[単発>単発機]]戦闘機、[[スピットファイア>スピットファイア(戦闘機)]]や[[ハリケーン]]に多くが撃墜された。~
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その後、[[バトル・オブ・ブリテン]]でのドイツ空軍によるロンドン爆撃の報復として[[英空軍]]は、1940年5月から本格的なドイツ爆撃を開始した。~
この爆撃は多くが夜間に実施されたため、迎撃する機体には数少ない攻撃チャンスを確実とする火力と、航法や無線通信を行う乗員の同乗が求められた。Bf 110はこの任務に最適の機体であり、バトル・オブ・ブリテン以後の本機は専ら連合軍爆撃機迎撃を主任務とする[[夜間戦闘機]]か、双発機特有の大きな搭載量を活かした[[ヤーボ]]（[[戦闘爆撃機]]）として運用された。~
本機は夜間戦闘機としての運用開始からしばらくの間、地上の警戒レーダー「フライア」と「ヴュルツブルク」と連動して敵の爆撃機隊の発見を支援する「ヒンメルビット」を搭載した。1942年にはドイツ初の実用的な航空機搭載レーダー「FuG 202 リヒテンシュタイン」のBf 110への搭載が始まり、1943年には殆どの機体がこれを装備した。~
>リヒテンシュタインレーダーは搭載時、機首部に空気抵抗を増大させるアンテナを突出させることが必要となり、最高速度が40km/h程度低下したため暫くの間、[[搭乗員>エビエーター]]には不評だった。
その後、[[バトル・オブ・ブリテン]]でのドイツ空軍によるロンドン爆撃の報復として[[英空軍>RAF]]は、1940年5月から本格的なドイツ爆撃を開始した。~
この爆撃は多くが夜間に実施されたため、迎撃する機体には数少ない攻撃チャンスを確実とする火力と、航法や無線通信を行う乗員の同乗、及び夜間戦闘の為の各種装備追加が求められた。~
Bf 110はこの任務に最適の機体であり、バトル・オブ・ブリテン以後の本機は専ら連合軍爆撃機迎撃を主任務とする[[夜間戦闘機]]か、双発機特有の大きな搭載量を活かした[[ヤーボ]]（[[戦闘爆撃機]]）として運用された。~
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夜間戦闘機としての運用開始からしばらくの間、夜間戦闘機型の本機は地上の早期警戒レーダー「フライア」と対空レーダー「ヴュルツブルク」と連動して敵の爆撃機隊の発見を支援する「ヒンメルビット」を搭載した。~
1942年にはドイツ初の実用的な航空機搭載レーダー「FuG 202 リヒテンシュタイン」のBf 110への搭載が始まり、1943年には殆どの機体がこれを装備した。~
>リヒテンシュタインレーダーは搭載時、機首部に空気抵抗を増大させるアンテナを突出させることが必要となり、これにより最高速度が40km/h程度低下したためことから、ヒンメルビットに慣れた[[搭乗員>エビエーター]]には不評だった。
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また、G型が登場する頃には上向きに65〜78度の角度がついた機関砲搭載の様式「シュレーゲ・ムジーク」が実施された。~
また、G型が登場する頃には上向きに65〜78度の角度がついた斜銃搭載の様式「シュレーゲ・ムジーク」が実施された。~
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Bf 110は、当初の開発方針こそ失敗に終わったものの、ドイツが敗戦を迎える1945年までに6,000機以上が生産され、最終的には100機以上の撃墜数を持つ夜間戦闘機[[エースパイロット]]を生んだ。~
**スペックデータ [#qa4d0bb8]
|>|CENTER:Bf 110 C-1|
|>|CENTER:''Bf 110 C-1''|
|乗員|2〜3名|
|全長|12.0714m|
|翼幅|16.2497m|
|全高|4.128m|
|翼面積|38.4��|
|翼形|翼根：NACA 2R1 (翼圧比18.5%)&br;翼端：NACA 2R1 (翼圧比11%)|
|空虚重量|4,425kg|
|未装備重量|4,885kg|
|全備重量|6,028kg|
|最大離陸重量|6,749kg|
|燃料容量|1,272 l（中央部タンク）|
|[[エンジン]]|ダイムラー・ベンツ [[DB 601]] A-1 [[液冷>液冷エンジン]]倒立12気筒|
|[[エンジン]]|ダイムラー・ベンツ [[DB 601]] B-1 [[液冷>液冷エンジン]]倒立12気筒|
|出力&br;（仏馬力/キロワット）|1,050PS/772kW（離昇）&br;1,100PS/809kW（高度3,700m）|
|最高速度&br;（全備重量時）|475km/h（海面高度）&br;525km/h（高度4,000m）&br;541km/h（高度6,000m）|
|最高速度&br;（全備重量時）|475km/h（海面高度）&br;525km/h（高度4,000m）&br;''541km/h（高度6,000m）''|
|巡航速度|262km/h（海面高度、最大連続稼働）&br;489km/h（高度5,000m、最大連続稼働）&br;484km/h（高度7,000m、最大連続稼働）&br;349km/h（高度4,200m、燃料消費軽減）|
|着陸速度|150km/h|
|航続距離&br;（最大連続稼働時）|774km（海面高度）&br;850km（高度5,000m）|
|航続距離&br;（燃料消費軽減時）|909km（高度7,000m）&br;1,094km（高度4,200m）|
|[[実用上昇限度>上昇限度]]|高度10,000m|
|[[上昇率]]|11m/s|
|高度上昇時間|高度6,000mまで10分12秒（9.80m/s）|
|[[翼面荷重]]|173kg/��|
|[[馬力荷重]]|241W/kg|
|武装|機首:MG FF/M 20mm機関砲×2門（各60発）&br;+MG 17 7.92mm機銃×4挺（各1,000発）&br;後方旋回機銃:MG 15 7.92mm機銃×1挺|
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