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【A-5】 †
North american A-5
アメリカ海軍の艦上攻撃機。愛称は自警団員という意味。
名目上は攻撃機だが、実質上は核兵器の投下のみを目的とした戦略爆撃機といえる。
冷戦の初期において、相互確証破壊を担うのは航空機であり、特に迅速な攻撃をおこなうことのできる超音速機が重要になると考えられた。
本機は空母より飛翔し、離れた場所を素早く核攻撃することを目的につくられた。
マッハ2で連続飛行することが求められ、抗力を極限まで抑えるため、核爆弾や落下式タンク?を胴体内に収納することはもとより、アレスティングフックまでもが機内への引き込み式となった。
また、後のマッハ2級戦闘機で主流となる二次元形空気取入口をいち早く採用し、超音速飛行への適応性を高めた。
超音速で飛び続けるといっても、いわゆる超音速巡航とは違い、J79ターボジェット双発のアフターバーナーを燃焼し続けるというものであったため、非常に燃費が悪く、大量の燃料を必要とした。
本機のリニア式爆弾倉と呼ばれるボムベイ?兼燃料庫はユニークな構造をしている。2基あるエンジンの間に落下式タンク?と核爆弾を格納し、目標上空で機尾を開いて核爆弾を投下すると同時にタンクを投棄するのである。
投下後は通常の飛行機と同様に機内の燃料タンクで飛行する。
莫大な燃料を抱えるため、艦上機としては非常に大きな高翼式クリップトデルタの機体であった。
核戦争を前提とした多くの軍用機がそうであるように、核爆発の閃光から機体を守るために白く塗装されている。
また、後席のキャノピーも大半が白く覆われ、窓は小さい。
やがて核兵器の運用主体が飛行機からミサイルへ移ると、多くの戦略爆撃機がそうであったように、本機も元来の任務から解かれた。
その後本機は、通常兵器の運用能力をほとんど持たなかったため、速度と長大な航続能力を活かして偵察機型のRA-5Cへと改修され、その寿命をまっとうした。