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【霹靂12】 †
中国の第613電子技術研究所(洛陽光電技術開発センター)で開発された、中国人民解放軍初のアクティブレーダー誘導式中射程空対空ミサイル。
霹靂12の他に「PL-12」や「閃電10(SD-10)」とも呼ばれる。
1997年に開発が開始され、2007年から配備が開始された。
開発にはロシアの軍事企業が協力しており*1ロシア軍のR-77(AA-12「アッダー」)中射程AAMの設計が多数流用されている。
中国側は当初、レーダーシーカーのライセンス生産を望んだが、ロシア側が拒否したため、この装備はロシアからの輸入に依存しているとのこと。
また別の情報によればイタリアのアスピーデ・セミアクティブレーダー誘導中距離空対空ミサイルの技術も使われているらしい。
空力設計についてはR-77ではなくアメリカのAMRAAMに似た形状を採用している。
これによりPL-12は中国開発のAAMとして、初めて撃ちっ放し(fire-and-forget)性能を持つ事になった。
主な搭載機としては殲撃11(Su-27SK/UBK)・殲撃10・殲撃11B/BS・JF-17/FC-1(殲撃9)?・殲撃8IIに装備されると言われている。
なお、輸出型であるSD-10はパキスタンやイランが興味を持つ程で現在海外からの発注は無い。
PL-12の派生型としては、データリンク機能が付与されたSD-10Aの他、同ミサイルを垂直発射装置に搭載した地対空ミサイル型の猟手2(LS-2)が開発されている。
関連:AA-12
スペックデータ †
全長 | 3.85m(SD-10) 3.934m(SD-10A) |
直径 | 20.3cm |
重量 | 180kg(SD-10) 199kg(SD-10A) |
推進方式 | 固体燃料ロケットモーター |
最大速度 | マッハ4(SD-10) マッハ5(SD-10A) |
射程 | 1〜70km(SD-10) 70km+(SD-10A) |
運用高度 | 0〜21km |
誘導方式 | 中間誘導:無線指令+慣性誘導、デジタル・データリンク(SD-10A) 終末誘導:アクティブレーダー誘導orパッシブレーダー誘導 |
主な種類 †
- 霹靂12(PL-12):
基本型。
- 霹靂12A(PL-12A):
能力向上型。
- 霹靂12B(PL-12B):
能力向上型。
誘導システムが改良されている。
- 霹靂12C(PL-12C):
次世代戦闘機用に開発された型。
ウェポンベイへの搭載を想定して尾翼を折畳み式にした。
- 霹靂12D(PL-12D):
次世代戦闘機用に開発された型。
射程延長のためラムジェットを採用した。
胴体中央部にインテークを備えている。
- 霹靂15(PL-15):
PL-12Cの発展型。詳細不明。
- 閃電10(SD-10):
SD-10の能力向上型で空対空/地対空ミサイル型。
猟手2(LS-2)対空ミサイルシステムに装備される。
- 雷電10(LD-10):
輸出向けの対レーダーミサイル型。
- 地空10(DK-10):
SD-10をベースとした輸出向け地対空ミサイル型。
ミサイルのサイズが大型化され、胴体中央の安定翼が弦長が長く幅の短いものに変更されている。