【連隊】(れんたい)

Regiment.

近世以後の陸軍における部隊編制単位のひとつ。
師団または旅団の下に位置し、数個の大隊もしくは中隊を以て編成される。
兵員数はおおむね2,000人前後で、古くは一か所の駐屯地に常時在留させられる人数の上限をも意味していた。

アメリカ陸軍など、いくつかの国ではこの連隊制度を廃止して旅団に置き換えている場合がある。

指揮官(連隊長)は伝統的に大佐階級にある軍人が充てられている。
制度によっては大佐が「名誉連隊長」として軍政処理を担い、戦闘指揮は別に任命された中佐が執る場合もある。

兵站管理上の基本単位であり、単一の兵科で構成され、特定の駐屯地に常駐する。
必要に応じて師団旅団に組み込まれ、再編成に際して師団旅団が解体されても連隊までは解体しないのが原則。
ほとんどの陸軍軍人は、佐官将官まで昇進しない限り、最初に配属された連隊から離れないまま軍歴を終えるのが一般的。

他兵科への転科や参謀への登用、陸軍省(国防省)への登用などで連隊を離れる者もいるが、その場合でも、当初配属された連隊は「原隊」と呼ばれて特別な扱いを受けることが多い。

性質上、各地域における地元の軍人(および予備役・退役軍人)の伝統の母体となり、長い歴史や由緒が備わっている部隊も多い。
軍閥の一種として地方自治における票田・圧力団体として政治的影響を及ぼしたり、政争の要因となっている事例も少なくない。


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