【流星】(りゅうせい)

愛知 B7A.

第二次世界大戦末期、日本海軍が採用した艦上攻撃機(兼艦上爆撃機)。
連合国軍におけるコードネームは「Grace」であった。

従来、航空母艦には艦上戦闘機艦上爆撃機及び艦上攻撃機の三機種*1が載せられていた。
しかし、これらは装備が根底から異なるため、一隻にこれらをまとめて載せると攻撃力が中途半端になってしまうきらいがあった。

艦上爆撃機急降下爆撃の能力が求められたため、搭載できる爆弾の量に限界があった。
一方、艦上攻撃機には航空魚雷の搭載が求められたため、運動性が鈍重になるきらいがあった。

本機はこの問題を解決するため、一機で攻撃機雷撃機)と急降下爆撃機を兼ねる機体として開発された。

同じ頃、アメリカ海軍でも同様の理由から「BTD『デストロイヤー』」「AD『スカイレイダー』」といった機体が開発されている。

なお、前作の九七式艦上攻撃機天山とは異なり、偵察機としての任務は考慮されなくなっており、乗員はそのため一名減って二名になっている。

本機の生産は1944年から行われたが、B-29による本土空襲と東南海地震による工場の被災などから生産は進まず、110機が生産されたのにとどまった。
終戦後、進駐してきたアメリカ軍によって4機が接収され、うち1機がスミソニアン航空博物館に分解状態で保存されている。
なお、2014年に熊本県八代市で風防の一部が発見されている。


*1 この他に「艦上偵察機」もあったが、日本海軍では長い間、艦上攻撃機や随伴の戦艦巡洋艦が搭載する水上偵察機で代用されていた。

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