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【北大西洋条約機構】 †
英:North Atlantic Treaty Organization. (NATO)/仏:Organisation du Traité de l'Atlantique Nord(OTAN)
「北大西洋条約」に基づき、北アメリカ及びヨーロッパ諸国によって結成された軍事同盟?。
この「北大西洋条約」の核心部分は、機構加盟国の一部が何かしらの武力攻撃を受けた場合、これを全加盟国への武力攻撃とみなし、報復ができることとした集団的自衛権の行使にある。
第二次世界大戦後、ソ連の軍事占領下に置かれた東欧諸国の共産化を背景とした東西冷戦の激化の中で、1940年代後半から西欧防衛同盟の必要性が強調され、1948年にアメリカの意向を受けてイギリス、フランス、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクの西欧5カ国が経済的、社会的及び文化的協力ならびに集団的自衛のための条約、いわゆる「ブリュッセル条約」を締結し、「ブリュッセル条約機構」が発足した。
アメリカは「ベルリン封鎖」に見られるような冷戦の一つの緊張状態に達した1948年、上院で米国の対西欧防衛協力を明確に打ち出した決議、いわゆる「バンデンバーグ決議」を行い、軍事同盟条約へ参加する条件を明らかにした。
これによりブリュッセル条約の西欧5カ国のほか、新たにアメリカ、カナダ、ノルウェー、デンマーク、アイスランド、ポルトガル、イタリアの7カ国を加えた「北大西洋条約」が締結された。
条約は1949年4月に調印され、同年8月に発効。
名称も現在の「北大西洋条約機構」に改められた。
その後、1952年にギリシャとトルコ、1955年に西ドイツ、1981年にスペインが加盟。
1999年には旧ワルシャワ条約機構の構成国だったハンガリー、チェコ、ポーランド、2002年にはエストニア、ラトビア、リトアニアのバルト三国、スロバニア、スロベニア、ブルガリア、ルーマニア、2009年にはアルバニア、クロアチアが加盟した。
冷戦時は、アメリカをはじめとする資本主義擁護のための軍事同盟網の一部を成し、ワルシャワ条約機構などによる社会主義国陣営に対峙してきた。
しかし冷戦の終結後は東欧諸国を敵視することをやめ、テロリズムや人権抑圧*1、宗教的対立などを新たな脅威と認識し、それらへの対処という新たな任務も追加されている。
加盟国 †
2010年現在の加盟国は全26カ国である。
以下にその一覧を示す。
- 当初からの加盟国
- 西欧諸国
イギリス・フランス・イタリア・オランダ・ベルギー・ルクセンブルク・デンマーク・ノルウェー・ポルトガル・アイスランド - 西欧以外
アメリカ・カナダ
- 西欧諸国
- 結成以後の加盟国
- 1952年:ギリシア・トルコ
- 1955年:ドイツ(旧西ドイツ)
- 1982年:スペイン
- 1990年:旧東ドイツ(直後に統一)
- 1999年:ハンガリー・チェコ・ポーランド
- 2004年:ブルガリア・ルーマニア・スロバキア・スロベニア・エストニア・ラトビア・リトアニア
- 2009年:アルバニア・クロアチア
組織構成 †
- 北大西洋理事会(NAC:North Atlantic Council)
加盟国28カ国の代表で構成されるNATOでの最高意思決定機関で、軍事を除く各種問題の協議を行っている。
閣僚レベルでは慣例により年に2回開催され、首脳レベルで「NATO首脳会合」として開催されることもある。
閣僚レベルでも首脳レベルでも会の議長を務めるのはNATO事務総長である。 - 防衛計画委員会
軍事問題に関する審議を行う。 - 軍事委員会
任期制の委員長と各加盟国の参謀総長クラスの将官により構成される。- 常設軍事委員会(MC:Military Committee)
各加盟国の大将・中将により構成される。 - 国際参謀部
各国軍からの派遣幕僚で構成される。
- 常設軍事委員会(MC:Military Committee)
- 核計画グループ
核問題に関する審議をする。- NATO事務総長
- 国際事務総局
- 常設委員会
- NATO事務総長
機関・部隊 †
- 作戦連合軍(旧欧州連合軍 司令官はアメリカ欧州軍司令官を兼任)
- 欧州連合軍最高司令部
- ブルンズム統連合軍司令部?
- ノースウッド連合海上部隊司令部
- ラムシュタイン連合航空部隊司令部
- ハイデルベルク連合陸上部隊司令部
- ナポリ統連合軍司令部
- ナポリ連合海上部隊司令部
- イズミル連合航空部隊司令部
- マドリッド連合陸上部隊司令部
- NATOサラエボ司令部(安定化維持のための臨時編成)
- NATOティラナ司令部(同上)
- NATOスコピエ司令部(同上)
- リスボン統連合軍司令部?
- NATO即応部隊?
- 即応部隊司令部
- 欧州連合軍即応部隊
- 欧州合同軍?
- イタリア即応部隊司令部
- トルコ即応部隊司令部
- ドイツ=オランダ即応部隊司令部
- スペイン即応部隊司令部
- ギリシア即応部隊司令部
- その他の部隊
- 即応部隊航空参謀部
- NATO早期警戒部隊
AWACSの共同運用を行っている。 - 海上即応部隊司令部
- 欧州連合軍機動部隊(空中機動部隊)
- 海上・打撃支援部隊
- 第1常設NATO海洋グループ
- 第2常設NATO海洋グループ
- 変革連合軍?
- 沿革連合軍最高司令部
- 統合軍事センター
- NATO統合軍訓練センター
- NATO海上阻止行動訓練センター
- NATO深海調査センター
- その他の組織
- カナダ=アメリカ地域計画作業部会
- NATO早期警戒指揮管制部隊司令部
- 統合運用計画参謀部
参考リンク http://www.nato.int/
関連:NATOコード ワルシャワ条約機構