【鳳翔】(ほうしょう)

1920年代、日本海軍が建造した初の航空母艦*1
当初から航空母艦として設計・建造された艦としては世界初の艦でもあった*2

建造当初は起倒式の3本の煙突を持ち、固定武装の8cm高角砲は甲板に引き込み式としていた。
また、英国の空母に倣いアイランド式の艦橋を備えていた。
しかし、元来の船体が小型だったことと艦載機の大型化に伴って甲板上の艦橋が支障となったため、1924年に飛行甲板前部の水平化を行った際に甲板上の艦橋を撤去し、前部格納庫の前端部両舷に移動した。

日本海軍は最後まで艦載機用のカタパルトを開発することができなかったため、本艦が第二次世界大戦世代の艦載機を運用することは不可能だった。

戦歴

本艦は1928年、巡洋戦艦から改装された「赤城」と共に「第1航空戦隊」を編制した。
1932年には「第1次上海事変」に参加。
1937年には支那事変に参加した。

1940年には本艦と空母「龍驤」、駆逐艦3隻*3で「第3航空戦隊」を編制、第1艦隊の隷下に入り、この体制で大東亜戦争の開戦を迎えた。

大東亜戦争では、前述のとおり船体が小型なことと大型化した艦載機を運用できなかったことからアメリカ海軍の空母機動部隊と交戦することはなく、主に内地近海で艦載機搭乗員の訓練に用いられていた。
そして終戦後、復員輸送に使われた後、1946〜1947年にかけて解体された。


*1 なお、計画当初は「特務船」として「竜飛」という船名が予定されていた。
*2 他艦種からの改造艦は既に存在していた。
*3 この当時の日本海軍の駆逐艦は、1隻では戦術単位とみなされず、同型艦2〜4隻からなる「駆逐隊」1隊が軍艦1隻と同等とみなされていた。

トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS