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*&ruby(ふくごうへりこぷたー){【複合ヘリコプター】}; [#raefd3a8] Compound helicopter~ [[ヘリコプター]]の[[速度]]性能を向上する目的で、通常の[[ローター]]システムとは別に、[[推力]]発生専用の[[プロペラ]]を装備したもの。~ 通常の[[ヘリコプター]]は[[ローター]]面をやや傾け[[揚力]]を偏らせることで[[推力]]を得るが、[[速度]]を上げるためには[[揚力]]を高くしなければならない。~ ~ 通常の[[ヘリコプター]]は、[[ローター]]面をやや傾けて[[揚力]]を偏らせることで[[推力]]を得るが、[[速度]]を上げるためには[[揚力]]を高くしなければならない。~ しかし[[揚力]]を上げるために[[ローター]]の回転数を上げることは、翼端が[[音速>マッハ]]に近づくと難しくなるため限界がある。~ このことから、[[ローター]]面を傾ける以外の方法で[[推力]]を得るために[[プロペラ]]を装備した機体が複合ヘリコプターである。~ ~ [[回転翼機]]の[[速度]]を比較的容易に向上させることができ、いくつかの機体が試作された一方、下記の理由により効率が劣るという弱点があり、いまだ実用化はされていない。~ -[[速度]]を上げるとやはり翼端速度が音速に近くなったり、[[ローター]]の宿命である左右での[[揚力]]の偏りが大きくなったりする。~ 対策として高速時には[[ローター]]の回転数を抑制する必要があり、結果として[[ローター]]の効率が低下する。 -高速時に[[揚力]]が低下する問題を解決するため大型の[[スタブ翼]]を装備すると、[[ホバリング]]時の効率が低下する。 -[[ティルトローター]]のような転換機構が必要ないとはいえ、[[ローター]]と[[プロペラ]]の両方を装備することで機構が複雑となり、コストの増大や信頼性の低下を招く。 対策として[[フライバイワイヤー]]を利用した回転数の繊細な制御や、最高速度を抑制することによる[[ローター]]効率の維持などが考えられており、実用化の際は通常の[[ヘリコプター]]よりも「やや速く、やや高価な」機体となる見込みである。~ ~ なお複合ヘリコプターは[[FAA>アメリカ連邦航空局]]が定義する[[ジャイロダイン]]の一種とされるが、FAA定義以前に試作された[[ジャイロダイン]]は前進中[[オートローテーション]]を利用するものであり、前進中も[[ローター]]を駆動し続ける複合ヘリコプターとは飛行原理が異なる。~ ***主な機体 [#h3367979] -ロッキード [[AH-56]]([[シングルローター]]+[[テイルローター]]+単発[[プロペラ]]) -パイアセッキ 16H, X-49([[シングルローター]]+[[ダクテッドファン]]((向きを90度変えることができ、[[アンチトルク]]発生と推進を兼ねる。))) -[[シコルスキー>シコルスキー・エアクラフト]] X2([[二重反転ローター]]+単発[[プロペラ]]) -[[ユーロコプター]] X3([[シングルローター]]+双発[[プロペラ]]) **主な機体 [#h3367979] -[[ロッキード]] [[AH-56「シャイアン」>AH-56]]([[シングルローター]]+[[テイルローター]]+単発[[プロペラ]]) -[[パイアセッキ>パイアセッキ・エアクラフト]] 16H、[[X-49>SH-60]]([[シングルローター]]+[[ダクテッドファン]](([[推力偏向パドル>推力偏向ノズル]]を備えており、[[アンチトルク]]発生と推進を兼ねる。))) -[[シコルスキー>シコルスキー・エアクラフト]] S-69([[二重反転ローター]]+双発[[ターボジェット]]) -[[シコルスキー>シコルスキー・エアクラフト]] X2、S-97([[二重反転ローター]]+単発[[プロペラ]]) -[[エアバス・ヘリコプターズ]] X3([[シングルローター]]+双発[[プロペラ]]) ~