【復員】(ふくいん)

demobilization.

軍隊紛争・事変・戦争の終結に伴い、部隊を解散して人員を解放すること。
基本的には、上記のような事態に際して臨時に招集された予備役民兵を対象として行われる。

紛争・事変・戦争に際しては緊急に戦力の増強が必要となるため、様々な方法で*1人員が集められ、新たな部隊が相次いで編成される。
しかし、そうして増設された部隊と人員は兵站に相応の負荷を与えるため、事態が収束すれば復員されて市井に戻される。

動員された個々の人員にとって、復員とは故郷への帰還を意味するので、おおむね歓迎される*2
しかし、そうした人々が故郷で新たに就職して平穏な社会生活を営めるか否はまた別の問題である。

復員を行うと一時に大量の失業者が発生する関係上、十分な雇用が確保されない事がありえる*3
特に、社会生活に支障を及ぼすような重篤な傷病や戦争神経症を負った退役兵士の運命は総じてあまり明るくなく、生活に窮した挙句の凶悪犯罪やアルコール・ドラッグへの依存など、新たな社会問題の種ともなる。

関連:徴兵制 戦争神経症 廃兵院


*1 予備役将兵を招集する」「志願者の枠を増やす」「現役将兵の昇進基準を緩和する」「(徴兵制の採用されている国であれば)兵役検査での採用基準を緩和する」など。
*2 国家総力戦思想が定着して以後、一般市民にとって「戦争に動員される」ということは、「不本意に自分の未来と職業を奪われる」ことをも意味するようになった。
*3 戦争終結後は軍からの物資発注の大部分がキャンセルされて軍需企業もレイオフを行うため、民間の求人需要もしぼんでしまう。

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