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【迫撃砲】
Mortar.
歩兵などが数人で運用できる臼砲。
もともとは攻城戦で城壁を越えて砲撃するための火器だったが、第一次世界大戦の塹壕で支援火力として活躍したのをきっかけに広く使われるようになった。
現在では大抵歩兵の管轄下にあり、支援火器という位置づけになる。
歩兵に最も身近な間接支援であり、高い仰角で発射するため、ほぼ真上から落とす稜線越えの射撃が可能。だがその反面、迫撃砲弾の弾道はある程度固定される為、対迫レーダーによって射撃地点を割り出される危険性もある。
迫撃砲は一般的には内径が60mm〜120mm程度のものが多く、構造は簡素軽量。代わりに簡便性があり低コストである。 カノン砲や榴弾砲に比べ弾の初速は遅いため、命中精度は低く、射程も数kmと短い。
一般的な軽迫撃砲を発射する際は、目標への距離に応じて45度以上の適切な仰角で設置する。 そして砲口から砲弾を滑り込ませると、砲弾の尾部の発射薬が爆発し、ガス圧で砲弾が飛翔、着弾する。 ただし、目標へ正確に着弾させるためには方位・仰角の設定や設置面の整地など非常に細かい調整が必要である。
弾頭は榴弾や発煙弾など歩兵の支援用の無誘導弾が殆どだが、誘導できるタイプ「マーリン?」や「ストリックス?」もある。
陸上自衛隊の場合、普通科中隊迫撃砲小隊の81mm迫撃砲(軽迫)と普通科連隊迫撃砲中隊の107mm/120mm迫撃砲(重迫)からなる。107mmは120mmに更新中。
120mmRTは無翼ライフリング式の迫撃砲で、105mm榴弾砲クラスの威力を持つ。
このクラスともなると、数人で分割して運搬できないことも無いが、通常は車両による牽引、または専用車両に搭載して使用する。
装甲車等に迫撃砲を積んだ自走迫撃砲も存在する。ソ連の2S4は迫撃砲最大の240mmを積んでいるが、通常は歩兵用迫撃砲をそのまま車載化している。
イスラエル軍の戦車は敵戦車よりもパレスチナゲリラと戦うことが多く、メルカバ?やマガフ?などのイスラエルの主力戦車には60mm迫撃砲が標準装備となっている。