【白兵戦】(はくへいせん)

close combat
鈍器や刀剣、素手での掴み合いや殴り合い、近代以降は拳銃短機関銃手榴弾での攻撃が可能なほど接近した状態での戦闘。
一度白兵戦に突入してしまうと逃走したり距離を取る事は困難であり、誤射を避けるのが困難であるため火力も大幅に制限される*1

人間が人間を殺そうとした結果起きる戦闘の大半は白兵戦である。
銃撃戦であっても6m以内の近距離で発生するのが大半であり、このうち最も多いのは2.5m以内で銃を「突きつけた」状況から発生する場合である。
訓練されていない人間が拳銃を扱う場合はこの距離でも命中しない可能性は高い。
特に夜間や雨などの悪条件下では、銃を持った暴漢が銃を持たない相手に撃退される例も少なくない。
また、計画的に殺人を企てる場合は毒殺、絞殺、撲殺、刺殺などが多く、銃器による射殺は避けられる傾向にある*2
この傾向は怨恨や快楽目的での殺人では特に強い。

近代以降の軍事行動では、基本的に白兵戦は避けるべきものとされている。
至近距離で死体や怒号にさらされるため、士気に甚大な悪影響を及ぼすためである。
また、視界の開けた場所で制圧射撃をかいくぐって白兵戦距離まで接近するのは困難である。
特にフルオート掃射で正面から迎撃された場合、十分な装甲なしに生存する事は不可能に近い。

とはいえ、敵を発見できないまま必要以上に接近して遭遇次第に白兵戦に突入してしまう事は多い。
陣地・施設・家屋・艦船の制圧を試みる場合、またそうした制圧を阻止する場合など、白兵戦が不可避な状況も多々ある。
そうした場合、白兵戦を行う部隊浸透させるために隠密行動や陽動などの防御策が必要になる。


*1 そもそもライフルは銃身が長すぎて白兵戦では扱いづらい。このため、必然的に白兵戦では拳銃やさらに接近した状態ではナイフなどが武器となり、火力は大幅に落ちる。
*2 銃器を使う意義があるのは返り討ちに遭う可能性がある時だけで、そうでない状況で銃を使うのは銃声や物的証拠など不利益が多い。

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