【燃料】(ねんりょう)

Fuel/Propellant.
広義には、熱を発生させてエネルギーを取り出すことのできる物質の総称。
主として、燃焼によって発生する熱エネルギーや気体体積の急激な増加を利用するためこう呼ばれる。

航空機に限らず、あらゆる種類のエンジンを稼動させるために必要な物質であり、その種類は様々である。
代表的な物質と使用例を以下に挙げる。

ガソリン
レシプロエンジン航空機・自動車)
灯油
ジェットエンジンガスタービンエンジン・液体燃料ロケット
軽油
ディーゼルエンジンガスタービンエンジン
重油
蒸気機関蒸気タービンガスタービンエンジン
天然ガス・LPG(液化石油ガス)
レシプロエンジンガスタービンエンジン
石炭・木炭等
蒸気機関蒸気タービン
液体合成ゴム・黒色火薬
固体燃料ロケット
液化水素・四酸化二窒素等
液体燃料ロケット

なお、原子炉に用いられるウランプルトニウムなどの放射性物質は、直接それを燃焼させるのではなく、核臨界反応によって起きる膨大な熱を利用する(それで水を沸騰させ、生成した水蒸気を動力として使う)ものであるが、慣例的に「核燃料」と呼ばれている。

変わった例

  • 補給の途絶えた前線で、燃料が尽きた車両にウォッカなどのアルコール度数の高い酒を入れてみたところ、エンジンが動いた等の怪しい話も存在する。
    • なお、近年では石油資源の枯渇への対処や二酸化炭素の排出量削減に資するため、農作物(サトウキビ・とうもろこし等)由来のアルコールを燃料に使おうという試みもなされている。
    • また、二酸化炭素排出量の削減の一環として、ディーゼルエンジンの燃料に特殊加工した動植物性油脂や廃食用油(使用済みてんぷら油)を使用する「バイオディーゼル」も一部で実用化されている。*1
  • 第二次世界大戦当時の日本では、(連合国軍の通商破壊戦による石油の供給途絶から)松の根から抽出された油脂を「松根油」として航空燃料に使用することが試みられ、また、民生用車両では木炭から抽出されるガスを利用するエンジンも使われていた。

*1 これら動植物由来の燃料から発する二酸化炭素は、生物の体を構成する物質に由来するため、二酸化炭素の総量は増減しない、という考えである。

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