【特殊捜査班】(とくしゅそうさはん)

日本の警視庁及び道府県警察刑事部捜査一課が保有・運用する特殊部隊
警視庁ではSIT*1、大阪府警察本部では「MAAT*2」など、地域によってさまざまな呼ばれ方がある。

1963年に起きた「吉展ちゃん誘拐殺人事件」の教訓から、翌1964年4月に警視庁に設立された「刑事部捜査第一課特殊犯捜査係」をルーツとする。
主任務は、誘拐事件*3や人質立てこもり事件など、以下の通り政治的要素の低い事案への対処であり、対テロ特殊部隊の「特殊急襲部隊?」とは性格が異なる*4
とはいえ、事件の性質上一部の職分がSAT?と重複しており、共同で活動した事件もある。

隊員は刑事部から選抜されているが、SAT?から移籍した隊員も多い。

関連:特殊急襲部隊? SWAT 特殊部隊

組織と主な任務

一例として、ここでは最大の規模を誇る警視庁のSITにおける編成と主な任務について述べる。

  • 特殊犯罪対策官
  • 第1特殊犯捜査・管理官
    • 特殊班捜査第1係
      誘拐・籠城・ハイジャック事案*5への対処。
    • 特殊班捜査第2係
      電話や文書による恐喝・脅迫事案への対処。
    • 特殊班捜査第3係
      公共交通機関における重大事故、爆破、爆発事故、産業災害における業務上過失致死事案への対処。
  • 第2特殊犯捜査・管理官
    • 特殊班捜査第4係
      上記以外の特殊犯にかかる重要特異事件への対処。
      また、捜査第一課全体の遊軍的な部隊として、殺人事件や強盗事件の捜査の応援にも入る。

*1 公式には"Special Investigation Team"の略とされているが、別の一説には"Sousa Ikka Tokusyuhan"の略だとの説もある。
*2 Martial Arts Attack Team.「特殊事件係」として編成されている。
*3 近年では、いわゆる「特殊詐欺」事件で急増している「被害金を直接犯人側に手渡しさせる」手口が誘拐事件の手口と似ていることから、そうした事案の捜査にも投入されるという。
*4 犯人への射撃は最後の手段とされ、犯人と交渉し時間をかけてでも逮捕することを優先としている。なお、アメリカのSWATも同様の方針で活動している。
*5 SAT?の現場到着までは一次的対処に当たり、同隊到着後は支援にあたる。

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