【屠龍】(とりゅう)

川崎? 二式戦闘機(キ45改)"屠龍"。

日本帝国陸軍戦闘機
同じく二式戦闘機として採用された鐘馗(キ44)と区別するため、「二式複座戦闘機」とも呼ばれる。
愛称は「屠龍」。
連合軍におけるコードネームは"Nick(ニック)"。

1930年代半ば、世界の航空先進国が続々と実用化した双発戦闘機*1に刺激を受けた陸軍による指示で開発され、1939年1月に完成した「キ45」は、速度、運動性共に単発機に及ばず、要求性能にも届かないことが判明し、1940年10月に不採用となった。しかし、川崎は同年8月には「キ48」双発軽爆撃機の設計を担当した土井技師を中心とした「キ45改」の設計を開始していた。 ほぼ新設計となって1941年9月に完成したキ45改試作機は当初の要求どおりの性能を発揮、試験的に輸入されたドイツのBf 109 E-7にも同等の性能を示した。そして翌1942年(皇紀2602年)、制式採用が決定、量産が開始された。

配備が開始されたキ45改だったが、連合軍単発戦闘機に多数が撃墜され、長距離護衛任務には向かないと判断された。しかし、搭載される他の単発機よりも強力な武装は重爆撃機に対して有効打を与えられる数少ない戦力であった。また、搭載量を生かした戦闘爆撃機としての運用も行われた。
本土空襲では対B-29戦力として、機体上部にホ5 20mm機関砲×2の「上向き砲?」を搭載する丁装備機が登場、主に夜間迎撃に参加した。


*1 双発とすることで、速度、航続距離、武装、爆装などで単発戦闘機に優位になると考えられた

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