【偵察機】(ていさつき)

敵の情報を収集することを専門に行う軍用機。
第一次世界大戦飛行機の優れた速度と視界を利用し、偵察任務に使用し始めたのが軍用機の歴史の始まりでもある。

黎明期の偵察機は操縦士が目視で敵勢力の接近を警戒したり、敵施設の写真撮影を行うなど極めて単純な任務であった上、地上偵察の補助的な役割に止まり、戦闘機などがそのまま流用されていた。
第二次世界大戦ごろには航続距離が大きく電信員の搭乗可能な攻撃機が主に偵察任務に充てられることが多くなった。
また、戦闘機の高性能化に伴い、その追撃を振り切れる速度が必要となり、偵察専門の機体も実用化され活躍した。

現在ではひとくくりに偵察機と言っても、強行偵察を行うため戦闘機を改造して造られた戦術偵察機から、高高度(もしくは超音速)で飛行し仮想敵国全体の防衛網偵察を担当する戦略偵察機、またRC-135のような大型の電子偵察(ELINT)機など、多様な機種が運用されている。

情報収集手段は従来のフィルムカメラから、デジタルカメラや赤外線ラインスキャナーなどの電子機器を使用する機体が増えつつあり、データリンクによるリアルタイムでの偵察も可能な機体もある。

実戦において兵站と並び最重要な「情報」を収集する航空機だけに、近年では偵察機の優劣が戦力の決定的違いになりつつある。

戦闘機のマルチロール化が進むにつれ、専用の偵察機ではなく、偵察ポッドを搭載し偵察任務にあたることも多く、また無人機が最も進んでいる分野でもある。

平時には戦闘機の調達が優先されるため、とかく軽視されがちな機種でもある。
戦時になって戦術偵察機が不足し、航空作戦に支障を来たす例が後を絶たない。
おおむね戦闘機攻撃機に対して1/3は必要とされるが、このような比率で偵察機を持つ空軍は世界中の何処にも存在しない。

関連:偵察衛星? ELINT

さまざまな種類の偵察機

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  • 高高度戦略偵察機? U-2
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