【朝日】(あさひ)

朝に昇る太陽(原義)。

旧日本海軍海上自衛隊艦艇名として幾度か用いられた。

前ド級戦艦「朝日」

19世紀末に英国で建造された「敷島」級前ド級戦艦の2番艦。
同型艦に敷島、初瀬、三笠がある。
1897年8月18日起工、1899年3月13日進水、1900年7月31日就役。

日本に回航後、他の姉妹艦と並んで第1艦隊第1戦隊に編入され(三笠連合艦隊旗艦となったため戦隊には組み込まれていない)、1904〜1905年の日露戦争では連合艦隊の主力戦艦として活躍した。

1920年に海防艦*1に種別変更されたのち、1922年のワシントン海軍軍縮条約で非戦闘目的での保有が許されることになったため「練習特務艦」→「潜水艦救難艦」となり、さらに1937年には「工作艦」に改装される。
この状態で日中戦争→太平洋戦争に参加したが、1942年5月、シンガポールから日本本土へ帰還中にアメリカ潜水艦「サーモン」の雷撃を受け戦没。

護衛艦「あさひ」(初代)

JS Asahi(DE-262).

アメリカ海軍第二次世界大戦中に就役させた「キャノン」級護衛駆逐艦の22番艦「アミック(USS Amick DE-168)」が1950年代半ばに海上自衛隊に貸与されたもの。
姉妹艦に「はつひ(JS Hatsuhi DE-263(米軍旧名『アザートン(USS Atherton DE-169)』)がある。

貸与後は2隻で第6護衛隊を編成し、近海防衛に活躍したが、1964年12月に第6護衛隊が廃止となり、練習艦隊第1練習隊に編入されて艦隊から離れた。
その後、1975年に除籍・返還されたのち、1978年にフィリピン海軍に再譲渡され「ダトゥ・シカトゥナ(BRP Datu Sikatuna (PF-5))」として1988年まで使用された。

汎用護衛艦「あさひ」(2代)

JS Asahi(DD-119).

2010年代に建造された汎用護衛艦。姉妹艦に「しらぬい(JS Shiranui DD-120)」がある。

本艦型は、平成時代初期に建造された「むらさめ」型から続く第2世代汎用護衛艦の最終型として、あきづき型をベースとして対潜センサーを近代化した艦として設計・建造された。
現在は佐世保基地を定係港として、第2護衛隊群第2護衛隊に属している。


*1 ここでいう「海防艦」は、後に建造された船団護衛用フリゲートとは異なる概念である。

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