【徴兵制】(ちょうへいせい) †


国家が「国を守るために軍役に服することは国民の義務である」とし、ある一定の年齢に達した成年国民（男子のみに課せられることが多い）を一定期間、軍に強制的に入隊させる施策。
近代に入ってから多くの国で採用されたが、近年は軍事技術の高度化により軍人の専門職化が進み、軍事的な実効性が失われつつあることから、先進国を中心に廃止、あるいは運用を停止する国が増えている。


日本では明治初期の1873年に施行された「徴兵令」により制度が確立されたが、種々の免除規定があり、また、「徴兵検査」で一定の基準を満たした優秀者を優先的に現役兵として入隊させていたので、1930年代になるまでそれほど厳格には運用されていなかった。

第二次世界大戦の敗戦による軍の解体で制度は自然廃止され、現在の自衛隊でも行われてはいないが、近年、右翼系を中心とした一部論者から「徴兵制復活」を求める声が上がってきている*1。
しかし、現在は内閣法制局が「日本国憲法で禁じられている『本人の意に反する苦役』『奴隷的拘束』にあたる」との見解を出しており、また、世間の軍事に対する根強い忌避感情もあって、広く支持を得るには至っていない。

*1 中には「青少年に対する精神鍛錬の手段」として復活させるべき、という論者もいる

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