【脱柵】(だっさく)

自衛隊において、隊員が正当な手続を経ずに長期間にわたって職務を放棄する事。

上官に面と向かった状態で職務を放棄し続けるのは現実的に不可能に近い。
よって、典型的に「基地のを乗り越えて走した」というイメージで語られる。
もっとも、実際には「外出・休暇が終わった後に帰還せず失踪する」事例が多い。

治安出動防衛出動に対する脱柵は犯罪とみなされ、懲役・禁固刑に処される。
平時には刑罰はないが、三曹以上の隊員については懲戒免職とされるのが普通。
任期制の隊員については任期が継続されるが、依願退職を促される事も多い。
また実際、平時であれば不正な脱柵によらず依願退職する事も可能である。

この量刑は国際水準に照らし合わせてもかなり軽い部類に入る。
多くの国家において、実戦における敵前逃亡は死刑や終身刑に値する重罪である。
とはいえ現代では死刑に対する減免措置が成される場合が多く、日本の量刑が異常に軽いとまでは言い切れない。

罰則とは別に、脱柵が発覚すると警務官中心の臨時捜索隊による捜査が行われる。
脱柵者は発見され次第、処罰が必要か否かに関わらず元の勤務地に連れ戻される。
これは、無収入の状態にある脱柵者が窃盗などの犯罪に関与する危険性があるためである。

関連:敵前逃亡 後発航期

参考

自衛隊法(昭和二十九年六月九日法律第百六十五号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S29/S29HO165.html

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