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【耐Gスーツ】 †
ドッグファイトなどの激しいGから人間を保護するための着用型生命維持装置。
圧搾空気で膨らむ気嚢を備えたズボン*1と、それを収縮させるコックピット側の機構からなる。
これが接続された状態で機体にGがかかると、自動的に気嚢が膨らみ、下半身を圧迫する。
これによって血流が下肢に"落ちる"のを防ぎ、脳の虚血によるブラックアウトを防止する。
現代の戦闘機においては生存のために必須の装置だが、潜在的欠陥も指摘される。
飛行中に原因不明の低酸素症を引き起こした事故が報告されており、対Gスーツとの関連を疑われている*2。
また、人体の耐G能力は機械的補助があっても限度があり、すでに技術的限界が近い。
今後数世代のうちに、戦闘機はもはや人間が乗り込める代物ではなくなるものと予想されている。
Photo: U.S.Navy
*1 万全を期してベストとヘルメットも追加し全身を覆う事もある。
*2 この問題はF-22用の対Gスーツ「コンバットエッジ」着用中の事故によって顕在化した。
因果関係の全貌は未だ定かでなく、また厳密な再現性を持った事故でもないようだ。