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【戦列艦】 †
Ship-of-the-line.
帆船時代における戦艦。
15世紀頃、ガレオン船をベースに発展して誕生したもの。
文字通り戦列を組んで行動し、艦載砲の撃ち合いによる艦隊決戦を主任務としていた。
高い火力と、木造ながら頑丈な装甲を備え、同時代のあらゆる艦と対等以上に撃ち合えた。
一方で機動力、特に旋回性能が劣悪で、小回りの効くフリゲート相手に苦戦する事もあったという。
大量の大砲を積むため、船体は2層以上の甲板と3本マストを持つものが主流。
英国では特に90〜100門以上の艦載砲を持つ艦を特に「一級戦列艦」と呼んでいた。
一方、一回り小さい40〜60門程度の戦列艦もあったが、あまり使われていなかった。
また、一級戦列艦は兵站への負担も大きく、80門を越える大型艦は実用性に欠けたという。
乗員は600〜800人程度。このうち100〜200人程度は拿捕のための海兵。
当時まだ拿捕は戦闘時の選択肢として有力で、敵艦に強行接舷して斬り込む事もあった。
蒸気機関の発明後もしばらく現役だったが、大砲用着発信管式炸裂弾の実用化によって木造船の脆弱性が露呈*1*2。
鋼板による艦体の装甲化とスクリューによる動力化が始まり、戦列艦は19世紀を最後に海軍から姿を消す事となる。
関連:世界三大記念艦
*1 クリミア戦争におけるシノープの海戦(1853)で始めて対艦攻撃として大砲用着発信管式炸裂弾が使用された。
*2 特に舷側に多数の砲を備える戦列艦はフリゲートよりも防御上、大きな問題を抱えていた。