*&ruby(せんとうき){【戦闘機】};
敵機への攻撃と味方機の護衛を主任務とし、[[上昇力]]と[[加速力]]に秀でた小型の軍用航空機。~
[[空対空ミサイル]]や[[機関銃]]などで武装するのが普通で、[[航空優勢]]を獲得するために非常に大きな役割をもつ。~
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対地攻撃を主任務とする[[攻撃機]]と区別されてこう呼ばれるが、近年では両方の用途に使用可能な多用途戦闘機([[マルチロールファイター]])が主流になりつつある。~
大空を自由に飛びまわれるその性能と美しいフォルムは、いつの時代も憧れの対象でありつづけている。~
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+第一次世界大戦の戦闘機~
このころの戦闘機は[[単葉機]]から[[三翼機]]までさまざまで、材質も木製のフレームに布を張ったものが多かった。 武装は[[機関銃]]が主で、[[同調装置]]が発明されるまでは機銃の配置にも色々なものがあった。
飛行機というものが戦争で使用されたはじめての戦いで、この頃には補助戦力という位置づけであったが、[[リヒト・ホーヘン]]のように数十機撃墜したエースも数多く誕生した。~
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Camel~
Photo :Royal Airforce~
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+第二次世界大戦の戦闘機~
WW1から数十年を経たWW2では、かなり多くの戦闘機が金属製の[[単葉機]]であった。 このころから戦争を遂行する上で航空機の果たす役割が大きくなり、[[航空優勢]]の重要性が認識されはじめた。~
欧州戦線ではドイツとイギリスの戦闘機が英仏海峡上空で激しい戦いを繰り広げ([[バトル・オブ・ブリテン]])、太平洋戦線では日本とアメリカの戦闘機が互いの空母や基地を護るために戦った。 ~
ドイツではジェット戦闘機が実用化され、少数ながら圧倒的な力を振るった。~
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Zero~
Photo: U.S.Navy~
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Spitfire~
Photo: Royal Airforce~
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+ジェット黎明期・朝鮮戦争の戦闘機~
それまでレシプロエンジンを使用していた戦闘機が、[[ジェットエンジン]]という新たな力を手に入れた。 当時はまだ推力の非常に小さいものであったが、それでも飛躍的に速度が伸びた。~
[[機関砲]]のみであった武装に加えて[[空対空ミサイル]]を装備した戦闘機が登場しはじめた。~
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F-86F~
Photo: USAF~
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+冷戦期の戦闘機~
[[中東戦争]]や[[ベトナム戦争]]で米ソの戦闘機が実戦を交えた。~
この頃からレーダーや友軍からの指示を受けて[[目視外射程]]で攻撃する戦いが始まった。~
それまで[[ミサイル万能時代>ミサイル万能論]]といわれ、[[空対空ミサイル]]以外の武装をしない戦闘機([[ミサイリアー]])も登場していたが、ミサイル自体の故障が多かったり、接近しすぎていたりしてミサイルを使えない場面が生じ、再び[[機関砲]]の重要性が認識された。~
ミサイルに対するレーダー妨害([[ECM]])もこのころから行われ、相手のミサイルを無力化することが起きるようになった。~
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F-4E~
Photo: USAF~
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+冷戦終結〜21世紀の戦闘機~
[[空対地ミサイル]]や[[誘導爆弾]]の発達と爆撃管制コンピュータの進化により、攻撃機の任務を兼任できる[[マルチロールファイター]]が主流になり、対空戦闘も殆どが[[目視外射程]]で中・長距離のミサイルを撃ち合う戦いになっていった。
一部では[[ステルス]]戦闘機も登場しはじめた。~
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Su-30~
Photo: USAF~
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関連:[[機体命名法]] [[戦闘攻撃機]] [[戦闘爆撃機]] [[甲戦]] [[乙戦]] [[丙戦]] [[夜間戦闘機]]~
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