【静止衛星】(せいしえいせい)

人工衛星のうち、地球から見て静止しているように見える(地球の自転と同じ周期で地球軌道上を公転している)衛星。
現行の技術では赤道上空、高度約3万5786キロメートルの円軌道上でのみ運航されており、この軌道を「静止軌道」と呼ぶ、

地球重力場の偏向・太陽の輻射圧・月の引力などの影響を受けるため、静止を維持するために適宜推進剤を消費して軌道を修正する必要がある。
搭載する推進剤デルタブイが、静止衛星として機能を維持できる限界寿命となる。

地上との位置関係が固定される事は人工衛星の用途において極めて都合が良く、放送・通信・気象観測を目的とする人工衛星はもっぱら静止衛星として打ち上げられる。
このため静止軌道上は人工衛星で過密状態にあり、衝突事故を起こす懸念が強い。
制御途絶してスペースデブリ化すると極めて危険なため、静止衛星は寿命が尽きる前に高度を上昇させ「墓場軌道」へ廃棄するよう国際条約で定められている。


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