【制圧射撃】(せいあつしゃげき)

suppression fire

必中を期待せず、敵の行動を抑圧する目的で適当に火器を発射する事。

人間は誰しも銃声・砲火・爆音が響く中で冷静に作業を続ける事はできない。
実際に弾痕や爆発を目撃した場合はなおさら、作業を放り出して身の安全を図ろうとする*1
当然、この時に中断される「作業」には敵への反撃、狙撃手の捜索、撤退機動なども含まれる。

つまり、適切な時期に銃砲弾を撃ち込む事で、命中しなくても敵を数秒ほど「制圧」しておく事ができる。
フルオートなどで定期的に弾丸を送り込み続ければ、弾丸が切れるまで制圧を続けられる。
また、迫撃砲榴弾砲は火力のみならず心理的衝撃も大きく、相当な広範囲を制圧できる。

機関銃の登場以来、塹壕戦の時代から続く基本的な歩兵戦術の一つである。
機動する味方が攻撃を受けないよう援護するため、また敵の機動を阻止するために用いられる。
現代の歩兵部隊では分隊支援火器を持つ兵士が敵歩兵への制圧射撃を担当する。


*1 もちろん、そうすべきである。身の安全を省みずに作業を続けていたらまず間違いなく死ぬ。

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