【人民解放軍】(じんみんかいほうぐん)

中国共産党の軍隊地上軍海軍空軍、第二砲兵(戦略ロケット軍)からなる。
厳密にはあくまで「共産党の軍隊」であり、「中華人民共和国の軍隊」ではない。
これは、他国の軍隊が国家元首を最高司令官とする点を見れば特異的なことである。

元は「政権打倒を目標とするレジスタンス」を指す言葉であったが、現在ではもはや固有名詞としてしか通用しない。
ただ、共産主義政権・共産テロリストなどが「人民軍」「解放軍」「人民解放軍」などと名乗る事がある。
そのような文脈においては中国共産党の軍隊を特に「中国人民解放軍」と呼ぶ。

総兵力は約230万、世界で最大の兵力を誇る。
18歳以上の義務兵役制では有るものの、巨大な人口を抱える国家であるため事実上は志願兵のみで定員を満たす。
軍事費はここ10数年間で毎年10%以上の増大を続けており、2009年でアメリカ、イギリスに次ぐ3位、未判明分も含めると2位と言われている。*1

広大な国土を反映してか、各地域の守備を受け持つ「軍管区」ごとに独立採算制で運営されているという奇妙な特徴を持つ。
兵站の費用を自弁調達するよう要求されており、軍が各種の事業を行っている。
このような特殊な形式のため、言わば管区ごとに独立した軍隊が存在しているような状態となっている。
故に隣の軍区と装備品の規格が違うため融通が利かない、政府に無断で勝手に武器を海外から輸入する、中央に知らせないまま新兵器のテストをするなど、共産党ですら軍をコントロール出来ていない現状が度々露呈している。*2

主な装備


*1 余談ではあるが、その軍事費を超える巨額の予算が武装警察などの国内の治安維持に回されており、一党独裁体制の象徴とも言える。
*2 国家主席と米軍の高官が会談中、高官が「今度新しい飛行機のテストをするそうですね」と言ったが、国家主席は「そんな話は聞いていない」と驚いた。慌てて確認すると、中央に無断である軍区が戦闘機のテスト飛行を計画していたことが海外で報道されており、その時初めて政府としてテストの存在を知った等と言う逸話がある。

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