【親衛隊】(しんえいたい)

主として、国家元首やそれに近い立場の人物の身辺警護を任務とする、少数精鋭の武装組織。
その性格上、軍の他部隊に比して優秀な兵員や新装備が優先的に配備され「エリート部隊」と位置付けられることが多い(戦時には最前線で戦闘に参加することもある)。

有名なものに、ナチ時代のドイツにあった「武装親衛隊?(Waffen-SS(ヴァッフェン-SS))」、ソ連軍及びその後継となった「独立国家共同体(CIS)」諸国軍の「親衛師団」、フランスの国家憲兵隊(内務省所管)に属する「共和国親衛隊」、フセイン政権時代のイラクにあった「大統領警護隊」、旧日本陸軍の「近衛師団」などがある。
(この他に、現在の日本にある「皇宮警察」やアメリカの海兵隊*1などもこれに近い性格の組織とされている)


余談――日本における応用表現

現在の日本では、上記の本来的な意味の一部を換骨奪胎して用いられる表現が一般的に定着している。
以下にその例を示す。

  • 応援団や暴走族では、その団体を表象する旗を掲げて守る本部直属の集団を「親衛隊」と呼ぶことがある。*2
  • 1970年代頃から、アイドル歌手の熱烈なファンの集団が自発的に「親衛隊」を名乗り、身辺警護や芸能活動の支援などを行うようになった。

*1 陸海空軍や沿岸警備隊と違い、大統領が連邦議会の同意を得ることなく動員できる。
*2 旧陸軍における連隊旗手・軍旗衛兵などがこれに近い。

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