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*&ruby(じょうきたーびん){【蒸気タービン】}; [#xadc64d6]
Steam Turbine.~
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[[外燃機関]]の一種。~
ボイラーで水を沸騰させて生成した高温・高圧の水蒸気により、[[タービン>タービンブレード]]を回転させて運動エネルギーを得るもの。~
水を加熱し、沸騰した水蒸気の圧力で[[タービン>タービンブレード]]を回して[[トルク]]を得るもの。~
石炭や石油などの[[燃料]]を熱源とする[[通常動力]]と、[[原子炉]]を熱源とする原子力タービンに大別される。~
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水蒸気を発生させる熱源の違いにより、石炭・石油などといった[[化石燃料>燃料]]の燃焼熱を利用したいわゆる[[通常動力]]と、[[原子炉]]での[[放射性物質]]([[ウラン]]・[[プルトニウム]])の原子核反応により発生する熱を利用する原子力タービンとに大別される。~
比較的小型の装置で大きな動力を得ることができるが、大量の[[燃料]]を消費する。~
主として発電所や艦船の動力源として利用されていた。~
[[エンジン]]本体を軽量・安価に設計可能で、ほとんど全ての熱源に対応可能だが、総じて燃費は劣悪。~
また、点火してから[[トルク]]が発生する(水が沸騰する)までに多くの時間と[[燃料]]が必要なため、即応性にも劣る。~
戦闘待機などで即時始動が求められる場合、動力が必要ない状況でもアイドリングを続けて[[燃料]]を浪費する事にもなる。

>大型機関では、空の状態から燃料を注入して始動させるまでに12時間以上かかる事も珍しくない。~
このため「[[艦艇]]が寄港中に港湾が攻撃を受けたが、機関が温まっていないため戦闘終了まで立ち往生」などという事があり得る。

かつては産業用・[[艦艇]]用[[エンジン]]の主流だったが、[[内燃機関]]の実用化と共に順次、即応性の高い[[ディーゼルエンジン]]や[[ガスタービン]]に取って代わられ地位を失っていった。~
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しかし化石燃料を使用する場合、始動や維持の容易さで[[ガスタービン]]に劣り、燃費では[[ディーゼルエンジン]]に劣ることから、純粋な蒸気タービンは姿を消しつつある。~
現在はこれに代わり、[[ガスタービン]]の排気熱を利用してボイラーの水を沸騰させ、生成された水蒸気でタービンを駆動して二次電力を発生させる「コンバインドサイクル」というシステムが実用化され、火力発電所などで用いられている。~
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石炭などの固体燃料や[[放射性物質]]([[ウラン]]・[[プルトニウム]])など、[[内燃機関]]で使えない[[燃料]]は、現在も蒸気タービンで用いられている。((ただしエネルギー効率や環境負荷の改善を目的として、石炭や木片からガスを取り出して[[内燃機関]]で利用する取り組みも進められている。))~
現代では主に地熱、太陽熱、[[原子炉]]など、[[内燃機関]]では運用不能な熱源を利用するために使われる。~
また、ゴミ焼却炉や発電用[[ガスタービン]]などの排熱を吸収して再利用する用途にも用いられる。

> 固体燃料も利用できるが、近年ではあまり用いられなくなった。~
固体燃料から可燃性ガスを抽出して[[内燃機関]]で燃やした方が[[外燃機関]]よりもエネルギー効率や環境保全に優れるものとされる。

関連:[[蒸気機関]]


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