【蒸気タービン】(じょうきたーびん)

外燃機関の一種。
水を加熱し、沸騰した水蒸気の圧力でタービンを回してトルクを得るもの。
石炭や石油などの燃料を熱源とする通常動力と、原子炉を熱源とする原子力タービンに大別される。

エンジン本体を軽量・安価に設計可能で、ほとんど全ての熱源に対応可能だが、総じて燃費は劣悪。
また、点火してからトルクが発生する(水が沸騰する)までに多くの時間と燃料が必要なため、即応性にも劣る。
戦闘待機などで即時始動が求められる場合、動力が必要ない状況でもアイドリングを続けて燃料を浪費する事にもなる。

大型機関では、空の状態から燃料を注入して始動させるまでに12時間以上かかる事も珍しくない。
このため「艦艇が寄港中に港湾が攻撃を受けたが、機関が温まっていないため戦闘終了まで立ち往生」などという事があり得る。

かつては産業用・艦艇エンジンの主流だったが、内燃機関の実用化と共に順次ディーゼルエンジンガスタービンに取って代わられ地位を失っていった。

現代では主に固体燃料*1、地熱、太陽熱、原子炉など、内燃機関では運用不能な熱源を利用するために使われる。
また、ゴミ焼却炉や発電用ガスタービンなどの排熱を吸収して再利用する用途にも用いられる。

関連:蒸気機関


*1 ただしエネルギー効率や環境負荷を考えた場合、固体燃料は可燃性ガスを抽出して内燃機関に使った方が効率的だとされる。

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