【蒸気タービン】(じょうきたーびん)

外燃機関の一種。
水を加熱し、沸騰した水蒸気の圧力でタービンを回してトルクを得るもの。
石炭や石油などの燃料を熱源とする通常動力と、原子炉を熱源とする原子力タービンに大別される。

エンジン本体を軽量・安価に設計可能で、ほとんど全ての熱源に対応可能だが、総じて燃費は劣悪。
また、始動してからトルクが発生する(水が沸騰する)までに多くの時間と燃料が必要なため、即応性にも劣る。

大型の機関ともなると「燃料注入に6時間以上、火を入れてボイラーを温めるのに10時間以上かかる」事もザラであった。
このため、即応性を求められる機関では稼働しない時間であってもボイラーの火を絶やさないことが求められ、そのためのコストが更にかかる。

かつては産業用・艦艇エンジンの主流だったが、内燃機関の実用化と共に順次ディーゼルエンジンに取って代わられ地位を失っていった。

現代では主に固体燃料*1、地熱、太陽熱、原子炉など、内燃機関では運用不能な熱源を利用するために使われる。
また、ゴミ焼却炉や発電用ガスタービンなどの排熱を吸収して再利用する用途にも用いられる。

関連:蒸気機関


*1 ただしエネルギー効率や環境負荷を考えた場合、固体燃料は可燃性ガスを抽出して内燃機関に使った方が効率的だとされる。

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