【散弾銃】(さんだんじゅう)

Shotgun ショットガン
小さな球状の弾丸(ショット)を多量に散布する「散弾」を使用する銃。
射程は40〜50mと比較的短く、発射された散弾は最大直径1mほどのキルコーンに拡散する。狙いが多少不正確でも命中を期待でき、また分散する弾丸が破壊力に優れるため猟銃に適する。
散弾はその独特な形状と構造のため通常の弾丸と区別され、口径を「ゲージ(番径)」で表記する事が多い。軍用では12番ゲージ(装填された散弾の総重量が、1/12ポンドであることを示す。銃身口径は、一般に18.2mm)が一般的。
回転機構にはポンプアクション、レバーアクション、中折れ式、反動利用式(セミオートフルオートの両方)が存在し、細かな用途ごとに設計が異なる。

初期のガンは「とりあえず火薬を入れて詰め物をして着火すれば飛ぶ」という程度の代物であったため“正規の弾丸”以外のものを銃身に放り込んで撃つ事がままあり、そのような状況から偶発的に散弾のような効果を発揮したのが始まりといわれている。
その後ライフリングが発明されると散弾の構造上ライフリングできない事が発覚し、射程距離と命中精度に優れる軍用のライフルと比較的近距離で狙いやすい大火力を持つ猟銃のショットガンに分かれて進歩していった。 その後、第一次世界大戦で塹壕戦に投入されて戦果を上げ*1、以降も現代に至るまでCQBや森林・山岳戦などで利用されている。
剥き出しの鉛を使い、また傷の治療が困難であるためハーグ陸戦条約で戦争利用が禁止されている*2

現在の日本では狩猟または競技用途においてのみ所有が許可されるが、弾倉装弾数2発以内、口径12番以内(熊狩りなど特別な用途では8番を許可する事も)、フルオート禁止などの制限がある。

関連:トレンチガン ライアットガン レミントン? ウィンチェスター? ベネリ?


*1 この戦術を採用したアメリカ軍は「けだものを撃つための猟銃で人を撃つ残虐非道な軍隊」として憎悪され、ショットシェルを所持する兵は捕虜になる資格がないとして問答無用で射殺されたと言われる。
*2 しかしハーグ陸戦条約が軍用散弾銃を戦場から排除する事はなかった。

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