【交差反転ローター】(こうさはんてんろーたー)

ヘリコプターの一種で、機体の上から2本のローターマストがV字型に突き出ており、2組のローターによって飛行するもの。または、そのローター

ドイツのアントン・フレットナーが効率のよい回転翼機を開発する過程で試作されたFl265に始まる。
これを改良したFl282は少数が生産され、第二次世界大戦中に使用された。
ヘリコプターがまだ試行錯誤の段階であった時代に、このFl282が実用レベルに達した初の機体といわれている。

2組のローターの軌跡は交差しているが、ローターブレードが衝突しないように回転が同調している。
テイルローターを必要とせず、タンデムローターよりも短い機体にでき、二重反転ローターのように複雑なローターマストを必要としないことから、低コストで高い揚力を実現することができる。

しかしながら抗力が非常に大きいため、あまり速度が出せず、イゴール・シコルスキーによってバランスのよいシングルローター式の機体が実用化されると、交差反転式は主流から外れていった。

後にアメリカのカマン?社がフレットナーの技術を吸収し、自社で開発したサーボフラップ?を組み合わせることにより安定性を増して、HH-43?K-Max?といった懸垂輸送に適した機体を製造している。


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