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*&ruby(ごえいかん){【護衛艦】}; [#ub929acd]
+船舶を護衛する任務を帯びた[[艦艇]]を指す一般語。~
英訳では「Escort (vessel)」と呼ばれる((Escort shipという表現も存在するが、こちらは[[海防艦]]の訳語としても用いられる。))。~
かつて、輸送船団を[[潜水艦]]や[[航空機]]による[[通商破壊>通商破壊戦]]から守る目的で、[[駆逐艦]]や[[護衛駆逐艦]]、[[護衛空母]]などがその任についていた。~
また、[[機動部隊]]で[[空母>航空母艦]]等を護衛する[[戦闘艦]]も、このように呼ばれることが多い。~
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+[[海上自衛隊]]においては、事実上[[水上戦闘艦>戦闘艦]]を指す言葉(([[陸自>陸上自衛隊]]創設期の「[[特車]]」（[[戦車]]のこと）や、[[空自>航空自衛隊]]の「[[支援戦闘機]]」（[[戦闘攻撃機]]）などと同様、「[[自衛隊]]は軍隊ではない」という法制上の制約から作られた言い換え語でもある。))。~
諸外国の[[海軍]]では[[駆逐艦]]もしくは[[フリゲート]]に相当する艦船が充てられており、そのため英訳も「Destroyer」、艦籍記号は「DD」あるいは「DE」となっている。~
近年では、諸外国であれば[[巡洋艦]]や[[ヘリコプター空母]]に匹敵する艦も登場しているが、[[海上自衛隊]]の[[水上戦闘艦>戦闘艦]]であれば全て護衛艦と称される((そのため、（[[第二次世界大戦]]世代の[[正規空母]]に匹敵する[[排水量]]を持ち）事実上は[[ヘリコプター空母]]である[[ひゅうが]]級や[[いずも]]級にも「DDH」の艦籍記号が与えられ「ヘリコプターの母艦機能を備えた駆逐艦」ということになってしまっている。))。~
近年では、諸外国であれば[[巡洋艦]]や[[ヘリコプター空母]]に匹敵する艦も登場しているが、[[海上自衛隊]]の[[水上戦闘艦>戦闘艦]]であれば全て護衛艦と称される((そのため、（[[第二次世界大戦]]世代の[[正規空母]]に匹敵する[[排水量]]を持ち）事実上は[[ヘリコプター空母]]である[[ひゅうが]]級や[[いずも]]級にも「DDH」の艦籍記号が与えられ「[[哨戒ヘリコプター>対潜ヘリコプター]]の母艦機能を備えた駆逐艦」ということになってしまっている。))。~
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艦の名称は、[[基準排水量]]5,000トン未満のものでは天候・波浪や「月」などといった自然現象、それ以上のものでは日本の山岳や地名に由来したものが、ひらがなで付けられる。~
（地方隊用護衛艦は、日本の河川に由来する）~
基準は違えど、旧海軍に存在した艦艇の名も上記のような由来のものであり、そのため引き継ぐ形になることも多い。~
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|>|>|CENTER:''主な護衛艦''|
|CENTER:種別|CENTER:説明|CENTER:該当艦|
|護衛艦&br;（DD）|海外の[[駆逐艦]]に相当する。&br;当初は[[保安庁警備隊]]の方式を踏襲して「甲型護衛艦」と&br;呼ばれていたが、1961年に改称された。|あさかぜ型((元米海軍「グリーブス」級駆逐艦を日米艦艇貸与協定に基づき貸与したもの。))&br;ありあけ型((元米海軍「フレッチャー」級駆逐艦を日米艦艇貸与協定に基づき貸与したもの。))&br;[[はるかぜ型>はるかぜ]]|
|汎用護衛艦&br;（DD）|対空・対艦・対潜戦闘能力をバランスよく求めたものであり、&br;現在の護衛艦隊の主力。&br;他国では[[駆逐艦]]や[[フリゲート]]に分類される場合が多い。|はつゆき型((3500トン型と2500トン型の折衷型として設計・建造された。))&br;あさぎり型&br;[[むらさめ型（2代）>むらさめ]]&br;[[たかなみ型>たかなみ]]&br;[[あきづき型（2代）>秋月]]|
|対空/多目的&br;護衛艦&br;（DDA）|対空防御を主任務として[[高角砲>高射砲]]や連装[[速射砲]]などの砲火器を&br;集中配備した艦。&br;予算上は「甲II型警備艦」と称される。&br;[[SSM>艦対空ミサイル]]や[[CIWS]]の普及とともに陳腐化し、現在はすべて退役済み((all purpouse destroyer- 大型汎用護衛艦（特にたかつき型と3500トン型）とする記述もある。))。|[[むらさめ型（初代）>むらさめ]]&br;たかつき型&br;3500トン型（計画中止）|
|指揮護衛艦&br;（DDC）|対潜護衛艦（DDK）と対空護衛艦（DDA）の装備を兼ね備える&br;とともに、[[艦隊]][[旗艦]]機能を備えたもの。&br;所謂、[[嚮導駆逐艦>駆逐艦]]（DL）である。&br;現在は退役済み。|[[あきづき型（初代）>秋月]]|
|ミサイル護衛艦&br;（DDG）|中〜長射程の[[艦対空ミサイル]]を装備し、艦隊防空を主任務&br;としたもの。&br;予算上は「甲IV型警備艦」と称される。&br;近年のものは対潜・対艦能力も高い。&br;また、[[弾道ミサイル]]の監視任務に就くケースが増えたため、&br;一部の艦には[[弾道ミサイル]]迎撃能力が付与されている。|[[あまつかぜ>天津風]]&br;[[たちかぜ型>たちかぜ]]&br;[[はたかぜ型>はたかぜ]]&br;[[こんごう型>こんごう]]&br;[[あたご型>あたご（自衛艦）]]|
|[[ヘリコプター]]&br;搭載護衛艦&br;（DDH）|[[対潜ヘリコプター]]を複数搭載し、対潜能力を重視したもので、&br;対潜ヘリコプターの母艦として補給や整備などを行う。&br;予算上は「甲III型警備艦」と称される。&br;かつては護衛隊群の[[旗艦]]も兼ねていた((現在の[[自衛艦隊]]・護衛艦隊では旗艦制度が廃止されているが、その後に配備された[[ひゅうが型>ひゅうが]]にも引き続き司令部設備が設けられている。))。|はるな型&br;[[しらね型>しらね]]&br;[[ひゅうが型>ひゅうが]]&br;[[いずも型>いずも]]|
|対潜護衛艦&br;（DDK((Kは[[ハンターキラー]]に由来する。))）|対潜戦を重視し、[[対潜魚雷]]や[[対潜ロケット弾]]などを重点的に&br;搭載した艦。&br;艦隊の基準構成艦（ワークホース）とされていた。&br;他の艦の対潜能力が充実したため、現在はすべて退役済み。|あやなみ型&br;やまぐも型&br;みねぐも型&br;あおくも型&br;2500トン型（計画中止）|
|地方隊用護衛艦&br;（DE）|地方隊向けに設計された艦で、[[基準排水量]]1,000トン〜2,000トン&br;程度の小型艦。&br;予算上では「乙型警備艦」と称される。&br;記号は[[護衛駆逐艦]]に由来する。|あさひ型((元米海軍「キャノン」級護衛駆逐艦。))&br;あけぼの&br;いかづち型&br;わかば((旧海軍[[橘（改丁）型>松]]駆逐艦「梨」。))&br;いすず型&br;ちくご型&br;いしかり&br;ゆうばり型&br;[[あぶくま型>あぶくま]]|
|護衛艦&br;（PF）|海自創設当初、[[アメリカ海軍]]のタコマ級[[哨戒フリゲート>フリゲート]]を&br;「くす」型として導入する際に、アメリカ海軍での艦籍記号を&br;踏襲する形で採用されたもの。&br;同艦の退役に伴い、現在は使用されていない。|くす型((米海軍タコマ級哨戒フリゲート。))|
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