【軍事郵便貯金】(ぐんじゆうびんちょきん)

旧日本軍において、戦地・占領地に駐屯する軍人向けに導入された金融商品。
業態としては現代で一般的な普通預金・通常貯金と同等のもので、主に将兵の給与として支払われた軍票を取り扱っていた。
陸軍では逓信省(当時)が設置した簡易郵便局「野戦郵便局」、海軍では同じく「軍用郵便所」が窓口となっていた。

1945年の太平洋戦争の敗戦に伴う軍の解体により、廃止となった。
終戦に伴って軍票は無効化されたが、それ以外の現金については2022年現在でも払戻を受け付けている。
(後述する理由により、払戻の催告が事実上不可能である事から、金融商品としての時効は差し止められている)

残存口座は逓信省→郵政省→郵政事業庁→日本郵政公社を経て、現在「独立行政法人 郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構」が管理している。
払戻の手続きはゆうちょ銀行(及び郵便局)が窓口となっているが、手続きは煩雑であり、申請件数も近年非常に少ない。

口座名義人・(推定)相続人の多くは故人ないし消息不明であると推定されている。
また、戦後のハイパーインフレによって貨幣価値が激減したため、小銭同然の少額で残されている口座も少なくないという。


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